...賢明なる三菱(みつびし)当事者のために夫人の便宜(べんぎ)を考慮するに吝(やぶさ)かならざらんことを切望するものなり...
芥川龍之介 「馬の脚」
...剰(おまけ)に名高い吝嗇家(しみつたれ)だつた作松は...
石川啄木 「赤痢」
...」「吝(けち)な野郎ぢやナ...
内田魯庵 「貧書生」
...家康の祖父(ぢい)さんだけにこんな事にも吝(しみ)つたれだつたと見える...
薄田泣菫 「茶話」
...兄さんはそう云う場合にお金を吝(お)しむからいけない...
谷崎潤一郎 「細雪」
...吝嗇(りんしょく)な人と云った風に簡単になる...
夏目漱石 「創作家の態度」
...妻(さい)の御常は島田よりもなお吝嗇であった...
夏目漱石 「道草」
...見て通りながら私たちはみんな同時に感歎の言葉を吝まなかった...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...多の市の非道と吝嗇(りんしよく)は年と共に募(つの)るばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――まアまアあの吝(しわ)ん坊(ぼう)にしては...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...本当に自家(うち)の吝嗇(けちん)ぼうめやかましい小言ばかり言ひやがつて...
樋口一葉 「わかれ道」
...貪吝(たんりん)...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...夥しく小さな吝嗇の心が動いて...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...無頼窮民に至るまでそれぞれに義軍に加盟させる点で天狗党は断じて吝ではあるまい...
三好十郎 「斬られの仙太」
...吝(けち)なファウスト奴...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...己は吝(けち)な野郎になってしまう...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...彼は吝嗇(りんしょく)に銭を溜め...
山本周五郎 「追いついた夢」
...本性は吝嗇(りんしょく)なのだという評がよく世間に撒(ま)かれていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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