...教育を受けた、向上した、そのために教養の乏しい男を夫に選ぶことは困難になった、――こう云う結婚難に遇(あ)っているのはきっとあたし一人ぎりじゃないわ...
芥川龍之介 「文放古」
...家庭的観点から社会的観点に向上した場合の人間の施設の特質をなすものである...
石川三四郎 「社会的分業論」
...野っ原から家の中への転向し向上した彼にとって...
犬田卯 「沼畔小話集」
...工人は自由な芸術家――之こそ個性の主人である――にまで向上したのである...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...夫の文学創作としての資格が向上したことを示しているのだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...そうして斯様(かよう)に明朗化され平板化された進歩というもののうちに住民の生活が内外共にどれ丈向上したかと思えば...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...表面は兎に角内容生活は少しも向上したとは思われない...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...全般的にひどく向上したものだと...
中谷宇吉郎 「若き日の思い出」
...果して日本の画家があの位の刺激に挑撥されて人工的に向上したとすれば...
夏目漱石 「文芸委員は何をするか」
...向上したときに抱いた考えと引きくらべてみると...
新渡戸稲造 「自警録」
...時世の潮流もおしなべて向上した...
長谷川時雨 「竹本綾之助」
...また武士たる者の社会的地位が総体に向上したというわけでもない...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...それによって大いに向上したという例があるからである...
平光吾一 「戦争医学の汚辱にふれて」
...その売り物の価格が向上した事と...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...恰も東京の「文化の向上した程度」を示す者であるかのように...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...芸術家に金を与えずして文化の向上した国は...
横光利一 「欧洲紀行」
...そのつまり属国で中国人が生活的に向上したって...
横光利一 「上海」
...一般に生活の向上した日本人が競争し得ないのは明かな事実ながら...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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