...」お京も立停(たちど)まって振向いた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...それと向い合った西側の壁には一坪ばかりの鏡がかけられていた...
太宰治 「逆行」
...そんでわたし光子さんに出遇(であ)いますと、出来るだけあやまる心持外に現わすようにして、小(ちい)そうになって、下向いて、こそこそ逃げるように傍(そば)通り抜けましたが、そないしながらも、先様(さきさん)怒(おこ)ってはれへんやろか、どんな眼つきしてはるか、やっぱり気がかりやもんですから、擦(す)れちがう拍子にそうッと顔色うかごうたりしました...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...私達はいつか二人とも後を向いてしまっている...
外村繁 「澪標」
...風向きの悪い話になると黙りこんでそっぽ向いてしまいなさるんですね...
豊島与志雄 「狸石」
...あちらを向いていたお銀様が...
中里介山 「大菩薩峠」
...東に向いたのでは意味をなさない……やはり...
中里介山 「大菩薩峠」
...軽い衝撃(ショック)を受けた彼はほとんど反射作用のように後(うしろ)をふり向いた...
夏目漱石 「明暗」
...ともすれば後ろを向いて赤い舌を吐いていそうで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その狼連を振り向いても見なかったそうだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...つい横を向いて了ふのでありました...
牧野信一 「月あかり」
...」私は横を向いて...
牧野信一 「病状」
...」と私は下を向いて呟いた...
松永延造 「職工と微笑」
...あそこのすみに行ってかべのほうを向いていなさい...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...それと同時にお関は風の様に子の方を向いて...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...拙者が出向いて教授を致しましょう」「はあ...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...これもそっぽを向いて云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...目下興隆の機運に向いつつある探偵小説界に投ずる一石ともなり得るならば...
夢野久作 「甲賀三郎氏に答う」
便利!手書き漢字入力検索