...何と云うても名筆である...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...さいぜん貴公の家士が稀代の名筆を分捕られたそうな...
中里介山 「大菩薩峠」
...こう拝むようにされて書いてやるほどの名筆でもあるまいと思うと...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
...名筆も惡筆も一つの癖だから左で書いても右で書いても大した手筋に違ひのあるものぢやねえ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...本當の名筆が書いたものとは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...巨勢金岡の名筆ぢや――申し遲れたが拙者は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...死の一瞬手前の、怨女の悪相が、名筆に従って、サラサラと描き上げられて行くのです...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...書(か)き流(な)がす文(ふみ)誰(た)れ/\が手(て)に落(お)ちて明日(あす)は記念(かたみ)と見(み)ん名殘(なごり)の名筆(めいひつ)...
一葉女史 「たま※[#「ころもへん+攀」、U+897B]」
...ギョエテの如き名筆を持っておったとしても...
久生十蘭 「湖畔」
...その代わり文芸部の先生方あまり名筆をふるいすぎては出演連名を「クリエーション」...
正岡容 「わが寄席青春録」
...その証拠には今の世の名画名筆と称せられて紳士の家に珍蔵せらるる者殆(ほとん)ど皆(み)な偽物(ぎぶつ)ならざるはなし...
村井弦斎 「食道楽」
...福地桜痴翁の晩年は種々の引札に名筆を見せていたが...
山本笑月 「明治世相百話」
...何々堂などと墨書の名筆を揮(ふる)わす...
山本笑月 「明治世相百話」
...店の柱に朱塗りの剥げた名筆の看板...
山本笑月 「明治世相百話」
...名筆の諸大家文士と申しても明治中期からの...
山本笑月 「明治世相百話」
...私の師事した条野採菊先生は決して名筆ではなかったが...
山本笑月 「明治世相百話」
...そのくせ、当代、和歌では、藤原範綱といえば、五指のうちに数えられるほど著名な人物であるし、また末弟(すえ)の宗業も、天才的な名筆で、早くから、写経生(しゃきょうせい)の試験には合格し、十七歳のころには、万葉集全巻を、たった十日で写したというので、後白河帝の御感(ぎょかん)にもあずかったほどな、秀才なのであった...
吉川英治 「親鸞」
...まず今の名筆家をかぞえるならば...
吉川英治 「宮本武蔵」
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