...名残りを惜しむ意味かしら...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...その代り名残り惜しそうにひたすらその顔をのみ眺めていた...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...衝動の名残り、力学に慣習力と称するところのものの結果であったのか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...表面はべっとり名残りの柴泥を被っている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...名残りの虻(あぶ)が障子に鳴って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何時までも心の名残りになるやうな...
林芙美子 「浮雲」
...それらの音響試験をした名残りだったのである...
久生十蘭 「悪の花束」
...前世紀の名残りよろしく仇(かたき)を待ちかまえている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...もうこれで当分G氏とも名残りか! などと思ひながら...
牧野信一 「痴酔記」
...もうこれッきりお別れになってしまうと言うことはたいへん名残り惜しかった...
正岡容 「寄席」
...わずか五分間で名残りを惜しみながら兎岳とのコルへの下降に移る...
松濤明 「春の遠山入り」
...それが昔は栄えていた遊女の名残りで...
柳田国男 「故郷七十年」
...心細い紅葉の名所風流の名残り大岡氏の別荘秋の紅葉も東都は古来貧弱...
山本笑月 「明治世相百話」
...この間の大爆発の名残りの火が燃えていて...
夢野久作 「斜坑」
...名残り惜しげな姿もあり...
横光利一 「旅愁」
...諸門衙営(がえい)の名残り...
吉川英治 「三国志」
...今生(こんじょう)の名残りを得させ賜(たま)われ――)と...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...お名残りを惜しんでおいで遊ばすような」「…………」長年仕えている井上玄桐は...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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