...それならお名残りに一つ...
芥川龍之介 「世之助の話」
...リャボーヴィチは名残りの一瞥をメステーチキ村へ送ったが...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「接吻」
...名残りををしみながらお礼をいつて...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...その覚悟で兵馬は、白骨の温泉も今日限り、明日は、また行方定めぬ旅に出るのだ、名残りに、心ゆくばかり、お湯にでもつかっておこうと、その日の夕方、湯ぶねの全く空いている頃を見計らい、ただ一人を湯の中に没入して、かなり長い時間、湯の音も一つ立てないでいると、多分、それと知らずに、戸をあけて湯ぶねへ近づくような人の気配がありましたから、そのつもりでいると、気配はあったが、人が見えません...
中里介山 「大菩薩峠」
...その名残りのあとを見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ夜の名残りの藍色が残っているが...
中谷宇吉郎 「八月三日の夢」
...何んか名残り惜いようなやるせないような...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...僅かに香華を供えた名残りを見せている...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...喧嘩の名残りか、跛(びっこ)を引いていて、右足の傷も刀痕らしい...
火野葦平 「花と龍」
...何となく名残り惜しく思ッたが...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...この家も今夜一と晩の名残りかと思うと...
矢田津世子 「茶粥の記」
...いまの夕立の名残りで...
山本周五郎 「さぶ」
...「仮面を冠って舞うなんて芸術の原始時代の名残りだ...
夢野久作 「能ぎらい/能好き/能という名前」
...むかしの旦那風の名残りは...
横光利一 「夜の靴」
...「…………」名残りは限りがない...
吉川英治 「私本太平記」
...お名残りにです……お師匠さま...
吉川英治 「源頼朝」
...名残りのように時々星を見た...
吉川英治 「源頼朝」
...武蔵に対してほのかに名残りを惜しみながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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