...最前電車の中で味った幸福の名残りのごとく見えた...
芥川龍之介 「路上」
...千葉にはいささかの名残りもない...
大杉栄 「獄中消息」
...要はまだ眼にちらついている小春やおさんのおもかげに名残りを惜しまれる一方...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...楊州の通称西湖は大運河の名残りの川沼であり...
豊島与志雄 「上海の渋面」
...衝動の名残り、力学に慣習力と称するところのものの結果であったのか...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...昔の名残りを止(とど)めていました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 菊池寛訳 「フランダースの犬」
...今はかえって名残りを惜しんで...
中里介山 「大菩薩峠」
...生涯の名残りを惜しみましょうよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...東京の街から三百年の江戸文化の名残りが完全にぬぐい去られ...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...その名残りを留めたものと見ることが出来る...
中山太郎 「屍体と民俗」
...いよ/\手を切る積りで名残りを惜しむため...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今は一人の老人が仕事の名残りを継いでいるに過ぎないのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...名残りのつきぬ袖を別った――三大きく巡る歳月の流れは目立たず...
吉川英治 「剣難女難」
...飽かずして別るる君が名残りをばのちのかたみにつつみてぞおく……これは平家都落ちの夜...
吉川英治 「私本太平記」
...晩にここへ名残りを惜しみに来る者とは?あるじの盛高は...
吉川英治 「私本太平記」
...名残りは尽きないが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...名残りを告げたり...
吉川英治 「源頼朝」
...ローマ時代の都市が僅かに名残りを留めていた南方に於て...
和辻哲郎 「鎖国」
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