...絶世の名器と呼ばれるほど優れた楽器だ...
...このやうに一国一城よりも、骨肉の生命よりも、茶器の価値が重く見られた時代ですから、名器の発見は、その大名にとつては、所領一箇国の加増といふことにもなりました...
薄田泣菫 「小壺狩」
...忠興は、かやうな名器を、山深い一軒茶屋から拾ひ出してきた喜平のほまれを思ふと、それが羨ましくなりました...
薄田泣菫 「小壺狩」
...山深い一軒茶屋からこんな名器を見つけ出して...
薄田泣菫 「小壺狩」
...この名器の発見者が...
薄田泣菫 「小壺狩」
...そんな名器に配するように考えられたところを見ても...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...しかし、よくよく考えまするに、名器とは言い条、これまで数多の人の手にかかりたるやも知れざる品、むかし宋の徽宗皇帝は秘蔵の名硯を米元章に御貸与えになり、一度臣下の手に触れたものは、また用い難いとあって、そのまま元章にお下げになりましたとやら...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...滅多に獲(え)られない名器だなと思ふと...
薄田泣菫 「茶話」
...こんな名器を……」席に居残つて...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...心はおのづとこんな名器を秘蔵してゐる誇りに満たされて...
薄田泣菫 「利休と遠州」
...昔の名器とこの頃の廉物のヴァイオリンとをそういう風にして較べて見たら...
中谷宇吉郎 「続先生を囲る話」
...一国一城にも代え難いと言われた天下の名器で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...このストラドヴァリウスの名器で演奏することが出来るのです...
野村胡堂 「天才兄妹」
...本多平八の蜻蜒(とんぼ)切りなど名器も多く出で...
南方熊楠 「十二支考」
...古い時代の名器、美術品が皆集まったような賀宴になったのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...昔ながらの名器を選び出す事は...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...決して「名器」とはならなかったでしょう...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...破れ易い名器を座右(ざゆう)に置いているように...
吉川英治 「黒田如水」
...――依って、その名器名刀が、やがて誰の御所有になろうと、左様なことは、ただ今、この世に暇(いとま)する光春の知ったことではありません...
吉川英治 「新書太閤記」
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