...作者名のり出る規定なり...
石川啄木 「閑天地」
...かくして法師丸は父の字名(あざな)の一字を貰(もら)って河内介輝勝(かわちのすけてるかつ)と名のり...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...親切に引張り込もうとした男は、いよいよ焦(あせ)って力の限り引張ると、道庵はまた、いよいよ面白がって、「なにがしは平家の侍、悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)と、名のりかけ、名のりかけ、手取りにせんと追うて行く……三保谷(みほのや)が着たりける、兜(かぶと)の錣(しころ)を取りはずし、取りはずし、二三度逃げのびたれども、思う敵なれば遁(のが)さじと、飛びかかり兜をおっとり、えいやと引くほどに……」面白がって道庵は「景清」の謡(うたい)をおっぱじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...インドに狼を氏に名のりその子孫と自信する者多く...
南方熊楠 「十二支考」
...例のとおりにたいそうに言っておどすのだね」「中宮のお侍の平(たいら)の重常(しげつね)と名のりましてございます」右近はこう申した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...既に直頼(なほより)と名のり...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...胸の底より出ずるようなる声にてみずから名のり...
森鴎外 「文づかい」
...何ほどのことやあらん」赫怒(かくど)して孫堅に名のりかけ...
吉川英治 「三国志」
...これがまことの名のり合いよの」せつなの印象では...
吉川英治 「私本太平記」
...名のり出よ」「よも姿は見せられまい...
吉川英治 「私本太平記」
...名和又太郎長年の“長年”という名のりは...
吉川英治 「私本太平記」
...このほか小鴨城の小鴨治部少輔元之(おがもじぶしょうゆうもとゆき)なども迷うなく幕府方の名のりをあげ...
吉川英治 「私本太平記」
...彼の古風な武者名のりが...
吉川英治 「私本太平記」
...手柄(てがら)名のりにおうずる味方の歓呼(かんこ)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...十兵衛も、姓は同じ明智で、名のりは、光秀(みつひで)といった...
吉川英治 「新書太閤記」
...羽柴(はしば)小一郎秀長(ひでなが)と名のり...
吉川英治 「新書太閤記」
...自分から加亮(かりょう)智多星(ちたせい)と名のりを告げ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...自分の名を名のり...
和辻哲郎 「夢」
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