...同情すべきの苦惱があるに違ひがない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...併し本当に同情すべき可哀想な女だ...
伊藤野枝 「ウォーレン夫人とその娘」
...それに他に身寄りのないのが何より同情すべき点だと云うこと...
上田広 「指導物語」
...それとも同情すべき善人なのでしょうか...
海野十三 「空中墳墓」
...彼の立場は実際同情すべきものだった...
江戸川乱歩 「心理試験」
...山下のモンテ・カアロ本局で同情すべきヒステリイ発作のため痛くないように卒倒したり――...
谷譲次 「踊る地平線」
...それを聞いてたけり立ち悶絶(もんぜつ)して場外にかつぎ出されるクサンチッペ英(はなぶさ)太郎君のあとを追うて「せっかく円満になりかけた家庭を滅茶滅茶にされた」とわめきながら退場するのは最も同情すべき役割であり...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...むしろ同情すべき事で決して不名誉とは思ひませんが...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...同情すべき又悪むべき虚偽に於て生きている...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...一応同情すべき被害妄想だろうからである...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...また憤りに同情すべき充分の事情がありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...最も同情すべき好人物なのですよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...同情すべきことに違ひありませんが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...同情すべき人柄の男であるから...
萩原朔太郎 「非論理的性格の悲哀」
...(略)彼女の精神生活は甚だ同情すべきものだが...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...自分の家のない事父母の死んだ事は甚く同情すべき事に感じられた...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「御同情すべきお手紙ですから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...朝山日乗の態度には同情すべき余地がない...
和辻哲郎 「鎖国」
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