...すると彼は口笛の合い間(ま)に突然短い笑い声を洩らし...
芥川龍之介 「彼 第二」
...何も苦しい仕事の合い間に「悲しいかな」を考えずとも好(い)い...
芥川龍之介 「文章」
...「奥様(おくさん)、おみあが痛いことおへんか? どうぞ此方(こっち)へお出しやして、………」気のいいお久は窮屈な升の中でまめまめしく茶を入れたり、菓子をすすめたり、何を云っても振り向きもしない美佐子を相手にときどき話しかけたりして、その合い間には、うしろへ右の腕を伸ばして煙草盆の角に載せられた杯のふちへ手をかけている老人に、なくなる頃を見はからってはそうっと酒を注(つ)いでやっている...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...陸地測量部の人たちが頻繁(ひんぱん)な爆発の危険に身命をさらしながら爆発の合い間をねらっては水準測量をしている...
寺田寅彦 「小浅間」
...その話の合い間に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一々述べたてなければならないというのか!それらのことの合い間には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...風の合い間の凪(なぎ)が...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...情事の合い間に困窮を相手にしてしゃべり散らすふざけたやり方...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし律動的な運動の合い間合い間には...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして彼女のいなくなった合い間に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...藤原の話の合い間合い間には疑ったりしていた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...来年は是非『停まれる時の合い間に』を書いて下さい...
原民喜 「ある手紙」
...ただそういう合い間の時期に君の視線の方角にぴったりした連中が置かれていたのにちがいない...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ボブはカピが演芸(えんげい)の合い間に芸(げい)をして見せてくれることを望(のぞ)んでいた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...煩悶の合い間というものがなくなった源氏の中将も変わった夢を見て夢解きを呼んで合わさせてみたが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...十三絃の琴は他の楽器の音の合い間合い間に繊細な響きをもたらすのが特色であって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...親しく中将にも仕えていた女房であったから、昔の妻についての思い出話をしたあとで、「私がさっき廊の端を通ったころに、風がひどく吹いていて、簾(すだれ)が騒がしく動く紛れに、その合い間から、普通の女房とは思われない人の後ろへ引いた髪が見えたから、尼様たちのお住居(すまい)にだれが来ておられるのかと驚きましたよ」と中将が言いだした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...かきくらす野山の雪をながめてもふりにしことぞ今日も悲しきなどと書いたりする手習いは仏勤めの合い間に今もしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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