...何(ど)う見(み)ても只事(ただごと)とは思(おも)われないのでした...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...これは只事ではないといふのである...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...突然高等学校の試験準備を只事(たゞごと)ではないやうな熱心さで始めて京都の三高に入つてしまつた...
犬養健 「朧夜」
...これは只事(ただごと)でないからもう一度向うを見る気にもなれない...
魯迅 井上紅梅訳 「白光」
...抜殻のように――(只事の馬ではない)と...
直木三十五 「南国太平記」
...夜中に十五人も馬を並べて通るのが只事ではないと思って考えてみたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...夜中に馬で飛ばす騒ぎは只事ではござるめえ」おやじは...
中里介山 「大菩薩峠」
...「只事じゃねえ、府中の町をひっくるめて、一軒別に家さがしが始まってるんだぜ」「へえ、一軒別に家さがし……なんです、泥棒ですか、駆落(かけおち)ですか」「さあ……」がんりきは尋ねられて、はじめて当惑しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...月光紅(くれない)に変ずるのも只事ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...いよいよ只事とは思われないのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...飲み過ぎて身体の自由の利かないことは、この先生としてはあえて異例ではないのですが、今晩のは、只事ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...只事(ただごと)とは受取れない蒼ん蔵である...
夏目漱石 「坑夫」
...八」八五郎の様子は只事(ただごと)ではありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...只事ではないにきまつてゐる...
林芙美子 「崩浪亭主人」
...よもや只事では無いとその頃に聞きしが...
樋口一葉 「十三夜」
...何だか燈火(ライト)の様子が只事じゃないらしいんだ...
牧逸馬 「運命のSOS」
...只事実の真相を明かにせむとするに外ならず候...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...近い界隈(かいわい)の百姓たちの只事(ただごと)ならぬ緊張した表情を不思議なほどハッキリ記憶していた...
夢野久作 「木魂」
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