...【櫻島の各部落】島は略々圓形を爲し、周回九里三十一町、東西櫻島の兩村あり、西櫻島村には赤水、横山、小池、赤生原(アカフバル)、武、藤野、松浦、西道(サイドウ)、二俣、白濱の十大字あり、東櫻島村には野尻、湯之、古里、有、脇、瀬戸、黒神、高免の八大字あり、大正二年度に於て戸數三千百三十五戸、人口二萬一千九百六十六人を有せり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...何とか一財産つくって古里の親たちを見かえしてやらなければならぬ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...だけれど……腕の痛む留置場の窓に遠い古里の蒼い馬を見た私は父よ母よ元気で生きて下さいと呼ぶ...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...私の心の古里を読みたいものだと思う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私の思い出に何の汚れもない四国の古里よ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...古里(ふるさと)...
林芙美子 「新版 放浪記」
...古里の厩(うまや)は遠く去った花がみんなひらいた月夜港まで走りつづけた私であった朧(おぼろ)な月の光りと赤い放浪記よ首にぐるぐる白い首巻をまいて汽船を恋した私だった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...信州の山深い古里を持つかの女も茶色のマントをふくらませいつもの白い歯で叫んだのです...
林芙美子 「新版 放浪記」
...たうとうかへるべき古里ではない...
林芙美子 「旅人」
...なにくそ!笑え! 笑え! 笑え!たった二人の女が笑ったってつれない世間に遠慮は無用だ私達も街の人達に負けないで国へのお歳暮をしましょう鯛はいゝな甘い匂いが嬉しいのです私の古里は遠い四国の海辺そこには父もあり母もあり家も垣根も井戸も樹木も……ねえ小僧さん!お江戸日本橋のマークのはいった大きな広告を張っておくれ嬉しさをもたない父母がどんなに喜んで遠い近所に吹ちょうして歩く事でしょう――娘があなた...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...あゝ今は旅の古里の海辺だ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...古里から拾五円ずつ送金してもらって...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...あゝ菜の花の古里...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...それは、彼の古里で、秋の收穫がをはらうとするとき、少女たちが野づらで歌ふ、古い、悲しい歌だつた...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「旗手クリストフ・リルケ抄」
...「小野の古里」というのがその日記の名であった...
柳田国男 「雪国の春」
...古里の便りは無事と衣更カムランの島浅黄なる衣更衣更はるかに椰子の傾けるこの夜から風邪をひく...
横光利一 「欧洲紀行」
...参木は一人になるとベンチに凭(もた)れながら古里(ふるさと)の母のことを考えた...
横光利一 「上海」
...古里の歌を唄って通って行く...
横光利一 「上海」
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