...その時お菊のしまつしているのは主人が秘蔵の南京古渡(なんきんこわたり)の皿であった...
田中貢太郎 「皿屋敷」
...白牡丹(はくぼたん)で買ったばかりの古渡(こわた)りの珊瑚(さんご)の根掛けや...
徳田秋声 「足迹」
...古渡珊瑚(こわたりさんご)や翡翠(ひすい)の帯留...
徳田秋声 「縮図」
...古渡り紅地広東縞の羽織...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...要(い)りもしないのに古渡(こわた)りの更紗玉(さらさだま)とか号して...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...古渡ハ一百円以上ニ価スル者有リ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「好古小言」
...沈香(ぢんかう)か古渡りのギヤマンでも買ふやうな顏をして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...花嫁が駕籠の中で殺されるなんざ江戸開府以来でも古渡(こわた)りの方じゃありませんか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大變國(こく)から大變を賣りに來たやうぢやないか」平次は古渡りの大變くらゐには驚く色もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...古渡り大變だ」平次は路地の中から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...古渡資秀(ふるわたりすけひで)などがいた...
森鴎外 「渋江抽斎」
...古渡は風采(ふうさい)揚(あが)らず...
森鴎外 「渋江抽斎」
...古渡りの詩文集などもあった...
柳田国男 「故郷七十年」
...古渡り更紗(さらさ)の手提(てさ)げ袋をあけて...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...大小をおッぽり出して、坐りながらのふところ手で、膝の上にある桃色珊瑚(さんご)の枝を眺め入りつつ、「美(い)い色だ、七ツは取れるな」その感にたえている様(さま)がばからしそうに、新助はおはちのふたへ肱(ひじ)をついて、「なにがですえ?」「印籠のおじめ、五分玉(ぶだま)のかんざし、何だってこれくらいな珊瑚(さんご)なら、好きな物がとれようじゃねえか」「ヤキが廻りましたね、親分も」「ばかをいえ、大名(だいみょう)の土蔵をかき廻したって、古渡りで、しかもウブなこんな珊瑚が生地(きじ)のままであるなんていうことはない...
吉川英治 「江戸三国志」
...……古渡(こわた)りの珊瑚(さんご)の珠...
吉川英治 「江戸三国志」
...これくらいな古渡(こわた)りは...
吉川英治 「春の雁」
...これは古渡(こわた)りじゃござんせんか」清吉が立ちかけると...
吉川英治 「春の雁」
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