...彼等はデカダンスの古沼に身を沈めながら...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...思わず眼を薄日(うすび)がさした古沼(ふるぬま)の上へ漂(ただよ)わせた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...古沼の水は底深そうに...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...古沼の上を眺めていた...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...古沼の藻も花をかざらうといふこの頃である...
薄田泣菫 「森の声」
...弗(ドル)と磅(ポンド)と円と馬哥(まるく)と常識と徳律を棄てるための美しい古沼...
谷譲次 「踊る地平線」
...お嬢さんの居る西洋館の方へ行って見ようか」こう云って仙吉は私をあの大木の木蔭の古沼の方へ連れて行った...
谷崎潤一郎 「少年」
...私は曾て耳にしたこの古沼の畔に住む人達の生活を思はないわけに行かなかつた...
田山録弥 「ある日の印旛沼」
...君は古沼(ふるぬま)の怪狸(かいり)におどろかされたので...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ヤクザ渡世の古沼へ足も脛(すね)まで突ッ込んで...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...一人々々が古沼の淀みから出て...
久生十蘭 「奥の海」
...古沼の淀みのなかで...
久生十蘭 「春の山」
...旱(ひで)りの後の古沼のように惨めにも嗄(か)れて終(しま)った――...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...矢代は古沼の底に漸く足の届いた思いにもなり...
横光利一 「旅愁」
...たしかにあの日の地獄よりもこの古沼の方が天国かもしれないからな...
横光利一 「旅愁」
...裏の蓮根の古沼へ...
吉川英治 「親鸞」
...古沼からひきずり出した山椒(さんしょう)の魚の化け物みたいな人間だ...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...その古沼に端なく私は美しいものを見た...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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