...彼の口吻からは本当に怒っているように聞こえた...
...私は嘘だと言っても彼女の口吻からは信じられないと感じた...
...彼女の口吻からは驚きが伝わってきた...
...彼女の口吻が変わるので、何かあったのか聞いてみた...
...彼の口吻が変わった瞬間、私は彼が嘘をついていることに気づいた...
...『主筆には君に対して余り好い感情を有(も)つてない様な口吻が...
石川啄木 「病院の窓」
...ヴァン・ダインは探偵小説はパズルの興味以外のあらゆる文学的要素と絶縁すべきであるかのごとき口吻(こうふん)を漏らしているが...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...私は謡と仏蘭西語とを同格に取り扱うような氏の口吻(こうふん)をその時不思議に思ってこの一語を今も牢記している...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...例の子供に對する母のやうな口吻をする看護婦が...
高濱虚子 「續俳諧師」
...もう創作は止めようかと思ふです」「それでは何をおやりですか」「サア」と水月は自ら疑ふやうな口吻で「何をやりますかな」といつて淋しい笑顏をする...
高濱虚子 「俳諧師」
...」などと憐れむような口吻で居士は私に言った...
高浜虚子 「富士登山」
...幸子は、奥畑と絶縁すると云うことは、本家は兎(と)に角(かく)、私達は賛成なのだから、場合に依(よ)っては貞之助兄さんに這入(はい)って貰(もら)って、今後啓ちゃんが着き纏(まと)わないように、きっぱり話を附けて上げてもよい、洋裁の稽古(けいこ)のことも、今のところ公然と賛成する訳には行きかねるが、見て見ない振をしているぐらいは差支えないし、将来職業婦人になると云うことも、私達は敢(あえ)て妨害はしない、本家に預けてあると云うお金のことも、今直(す)ぐでは困るが、他日何か理由の立つ用途に当てるのであったら、適当の時期を見て、こいさんの手へ渡るように口添えをして上げてもよい、とまで云って、板倉と結婚することだけは思い止まるように説いて見たのであったが、妙子の口吻は、自分達は直ぐにも結婚したいところを、雪姉(きあん)ちゃんのために待って上げているのだから、何卒(どうぞ)それを最大の譲歩と思って欲しい、そして一日も早く雪姉ちゃんの縁を纏めて欲しい、と云わんばかりなのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...女は我儘らしい口吻(こうふん)で答へた...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...きっと何かあるに違ねえと思ってたんだ」急に予言者らしい口吻(こうふん)を洩(も)らした彼は...
夏目漱石 「明暗」
...獅子の口から洩れる聖らかな水に口吻(くちづ)けする「凱旋の泉」として崇められたものである...
牧野信一 「山彦の街」
...彼に訴へるやうな口吻を洩す事がありました...
水野仙子 「道」
...たとえば、近来の文談会なども、六波羅など眼中にもない振舞だったし、そこでの口吻は、みな天皇の御意志かの如く受けとられ、倒幕の大業も、宣旨(せんじ)一枚の料紙で足るような驕(おご)りに酔っていた風であった...
吉川英治 「私本太平記」
...勝豊の熱意一つに帰しているかのような口吻(くちぶり)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...それでもきかねば諦(あきら)めるとして」「あの口吻(くちぶり)では...
吉川英治 「新書太閤記」
...変りはてたと思うこの姫の今のような口吻(くちぶり)を聞くと...
吉川英治 「新書太閤記」
...含羞(はにか)むような口吻(くちぶり)で...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...膠(にべ)のない口吻(くちぶり)で...
吉川英治 「宮本武蔵」
...剣術は上手かどうか知らないが――今の口吻(くちぶり)では...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索