...父親の口前が上手で、人を納得させることができる...
...彼女は口前がうまく、よく話を引き伸ばす...
...あの弁護士は口前が立つので、訴訟案件を得意としている...
...彼の口前で説得され、ついつい契約してしまった...
...口前だけでなく、筋道も立てて意見を述べることが大切だ...
...口前(くちさき)の上手な事をいうのは出来なかったよりも持前の剛愎が許さなかった...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...口前も如才なくなり...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...入口前で二名の巡査が敬礼をした...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「唇のねじれた男」
...彼はさつぱり出来ない子だつたが口前がいいのと年が二つも上で力が強いために忽ち級の餓鬼大将になつた...
中勘助 「銀の匙」
...私はさうした口前はもとより腕力に於ても確に彼に一目おかねばならぬ...
中勘助 「銀の匙」
...そのくせ口前(くちまえ)のよい人...
中里介山 「大菩薩峠」
...こんな男の細工と口前が...
中里介山 「大菩薩峠」
...ついあの人の口前に乗せられて...
中里介山 「大菩薩峠」
...調子のいい口前に乗せられて...
中里介山 「大菩薩峠」
...口前がなかなかうまいものだから――口惜(くや)しいわ...
中里介山 「大菩薩峠」
...相手がお蘭さんだからたまりませんわね、あの男前と……口前じゃたまりませんよ――」福松どのの悲泣がいつしか憤激となって、最初は口でけなしていたがんりきなるやくざ野郎を、結局、度胸があって、お金の切れっぱなれがよくって、口前がいい、色男の正味を肯定するような口ぶりになってしまうと、今度は鉾先(ほこさき)がお蘭さんなるものの方に向って、しきりにそのお蘭さんをくやしがるものですから、兵馬は自然、過ぐる夜のことを思い起さないわけにはゆきません...
中里介山 「大菩薩峠」
...男の口前になんぞ乗るもんじゃない...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ところで、伊勢屋新六を怨(うら)んでいる女は誰だろう?」「江戸中の女の百人に一人くらいは怨んでいますよ、――何しろ金があって薄情で、男がよくて、口前がうまくて、浮気で、箒(ほうき)で、ケチと来ているんで」「…………」あまりの痛罵(つうば)に平次は呆気(あっけ)に取られました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...その口前(くちまえ)だ...
長谷川伸 「中山七里 二幕五場」
...口前は軽快だが、顔はいやな色になって、どうしてもいわせずには置かないといった必死の色が見える...
久生十蘭 「魔都」
...戸口前の床を行き尽くすと...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...道誉のうまい口前だった...
吉川英治 「私本太平記」
...あなた様のお口前(くちまえ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
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