...口の軽い、悪戯好(いたづらず)きの彼等は、どうかすると晴の場所でもそんな事を素破抜(すつぱぬ)かぬとも限らないので、派手好き、宴会好きの成金も、この輩(てあひ)の顔を見ると、そこそこに逃げ出してしまふ...
薄田泣菫 「茶話」
...「砂馬君は無理にすすめんほうがいいな」「はあ」「砂馬君には何も言わんほうがいいね」口の軽い俺をたしなめるように言って...
高見順 「いやな感じ」
...大概の大商店が株式組織になった今日では、「番頭さん」が「常務さん」に昇格して羽織前掛の代りに背広を着、船場言葉の代りに標準語を操るようになったけれども、その肌合(はだあい)なり気持なりは、矢張会社の重役と云うよりお店(たな)の奉公人であって、昔はよくこう云う風な、腰の低い、口の軽い、主人の機嫌気褄(きげんきづま)を取ることや人を笑わせることの上手な番頭や手代が、何処の店にも一人や二人はいたものであるが、井谷が今夜この人物を加えたのも、座を白けさせないようにと云う心づかいでもあったことが察しられた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お春がひどく口の軽い女であることを思うと...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼が概して口の軽い方ではなかつたことを申し添へておく必要がある...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...この亭主はあまり口の軽い方でなかつたから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...平常興に乗れば口の軽い子は...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...「――あいつも口の軽いのが悪い癖だから...
山本周五郎 「青べか物語」
...「――あいつも口の軽いのが悪い癖だから...
山本周五郎 「青べか物語」
...たいした代物(しろもの)だな」猪之松の店の者で吉公という口の軽いのが...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...「売女(ばいた)などにも口の軽いものばかりはいないとみえるな」「ああいうところでは」とおくみがいそいで云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...しかし荀攸も口の軽いのはいけない」と思い出ばなしなど持ちだして大いににぎわっていたが...
吉川英治 「三国志」
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