...そして口の端(はた)まで持って行った葉巻をそのままトレイの上に置いて立ち上がりながら...
有島武郎 「或る女」
...がさがさ音がして犬の沾(ぬ)れて居る口の端に這い寄るものがある...
レオニイド・アンドレイエフ Leonid Andrejew 森鴎外訳 「犬」
...ちょっとその(えい)の針で口の端(はた)縫わっしゃれ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...噴火口の端の方からと同様に熔岩が川のやうに流れる...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...この二人が当時どんなに全市の口の端(は)にのぼったか...
谷譲次 「踊る地平線」
...ちょうど子供が餡(あん)で口の端(はた)をよごしたような風に...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この上は人の口の端(は)にかからぬうち早く一緒にさせる方がと改めて春琴に持ちかけてみると...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...彼女はその後折にふれて口の端(は)へ出すこともあったし...
徳田秋声 「仮装人物」
...そして敷蒲団の下から懐紙を出して口の端をふく...
永井荷風 「来訪者」
...その深い口の端に金箔(きんぱく)を置いた寶珠を含んで居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何か一つとして口の端にのぼらぬやうなことがあるだらうか! 古い昔話といふ昔話が一から十まで蒸しかへされるのぢや! ありとあらゆる怖ろしい怪談が持ちだされるのぢや! したが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...私が心に思って居れば自(おのず)から口の端(はし)にも出る...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...鉤は口の端に引っかかっていたが...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...それにつれて口の端が釣上った...
牧野信一 「鬼涙村」
...口の端に薄気味悪いワラヒを浮かべて...
牧野信一 「好日の記」
...心ない世人の口の端(は)に上るのを虞(おそ)れて...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...ダラダラ出来るだけ口の端から流し出さしてしまおうとするように...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...毀誉褒貶(きよほうへん)の口の端にかかって...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??