...そして口の端(はた)まで持って行った葉巻をそのままトレイの上に置いて立ち上がりながら...
有島武郎 「或る女」
...葉子の名は口さがない婦人患者の口の端(は)にうるさくのぼっているに違いない...
有島武郎 「或る女」
...ちょっとその(えい)の針で口の端(はた)縫わっしゃれ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...ひき蛙はちやうど酔ひどれが口の端の酒の泡を気にするやうに...
薄田淳介 「若葉の雨」
...自分の口を大胆に主人の口の端(はた)へ持つて行く...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...思わず口の端から洩らしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...若様なんぞは全く口の端(は)に上らないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...水手(かこ)たちの口の端(は)に上らないところを以てして見ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...その深い口の端に金箔(きんぱく)を置いた寶珠を含んで居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口の端にも寄せられなんだ食べもんが...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...つひぞ我々の口の端に...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...そして彼女はつぶれかかつた鼻の先に吸口の端を覗かせながら...
北條民雄 「続癩院記録」
...心ない世人の口の端(は)に上るのを虞(おそ)れて...
松本泰 「P丘の殺人事件」
...」蟹はわずかばかり泡(あわ)を口の端(はし)に吹いて...
宮原晃一郎 「椰子蟹」
...軽い笑を口の端の辺にうかべながら...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...」これまで例の口の端(はた)の括弧(かっこ)を二重三重(ふたえみえ)にして...
森鴎外 「かのように」
...大きな鱗(うろこ)が、金と黒とで、まるで絵に描いたように、はっきりと見え、口の端には、これも絵のように、ひげが二つあった...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...入口の端に腰かけて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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