...自分と並んで居る一團の少年は、口々に、聲を限りに、『あやア、お夏だ、お夏だッ、狂女(ばかをなご)だッ...
石川啄木 「葬列」
...「おとなしくしろ」「副司令の服なんか着こんで、ふとい奴だ」潜水隊員は、口々にわめいて、四方から太刀川におどりかかった...
海野十三 「太平洋魔城」
...アカ鬼(検事)にもうじきお目にかかれらあ」「そいでアカ落ち(刑務所入り)……」「赤いオベベか」口々に言いあっているところへ...
高見順 「いやな感じ」
...他の六人の客も口々に...
太宰治 「新釈諸国噺」
...仲間の者は口々に言った...
田中貢太郎 「続黄梁」
...「あッ! 大渦巻だ!」「人をも、船をも、一呑みにする魔の海だ」生残りの技術員たちは、口々に叫んで、船橋(ブリッジ)から転げ落ちるように、甲板に降りて、なおも、「大渦巻だ!」「救(たす)けてくれ!」と、狂おしく叫び、右往左往している...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...強く吹け」口々に叫びながら...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...口々にざわめいていた...
直木三十五 「南国太平記」
...子供の口々に叫ばれるのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...神妙にしや」口々に罵(ののし)り乍ら...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...口々にあらゆる驚嘆詞を絶叫しながら...
牧野信一 「鱗雲」
...一同は口々に呟きながら一人減り二人減りして忽ち四方へ散つて行つた...
牧野信一 「山彦の街」
...口々にみんな叫びました...
槇本楠郎 「仔猫の裁判」
...口々に藍丸王様藍丸王様と叫びながら暗い山の中を駈け出すと...
夢野久作 「白髪小僧」
...口々にお祝いの言葉を云うところを見ると...
夢野久作 「白髪小僧」
...味方の衆」と口々なさけびを...
吉川英治 「私本太平記」
...扉(とびら)の口々はそとから鉄錠(てつじょう)をおろしてしまった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そして今はただ口々に...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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