...取り残した茶箪笥(ちやだんす)や長火鉢は...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...取り残して来た原稿料の一部を僕がたびたび取り寄せるので...
岩野泡鳴 「耽溺」
...私達二人丈けを取り残して...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...たつた一つ取り残しておいた小さな瓠(ひさご)が...
薄田泣菫 「独楽園」
...なお左記の数句を取り残しました...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...それを特に取り残したというのはほかでもありません...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...取り残した芋(いも)の葉に雨は終日降頻(ふりしき)って...
田山花袋 「蒲団」
...惜しいのばかり取り残しておいた書籍(ほん)を売ったりしてやっといるだけの銭(ぜに)を工夫してお宮の気嫌(げん)をとりにやって来たのだ...
近松秋江 「うつり香」
...かけてあった取り残しの無尽を安く競(せ)って落したくらいであったので...
徳田秋声 「足迹」
...眩暈(めまい)を起こさせるほどの諧調(かいちょう)の上に彼を取り残した...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...親の仇を取り残したほどに...
中里介山 「大菩薩峠」
...たった一人後(あと)に取り残してやりたい気がした...
夏目漱石 「行人」
...ともすれば一ところに停滞しがちな私を其処に取り残したまま...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...たつた一つ物置の隅に思案にあまつて取り残して置いた父親のトランクを...
牧野信一 「裸虫抄」
...あっけに取られた僕を取り残して...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「幸福への意志」
...まだ微かに生気を取り残している慌しい「魂(たましい)」と死の世界に生きている静かな「霊(れい)」とはこうして互に顔を見合ったまま何事かを語り合おうとしていた...
夢野久作 「暗黒公使」
...女ふたりの主従だけを取り残して...
吉川英治 「篝火の女」
...取り残していた四尺ほどの黒樫(くろがし)の木剣を出した...
吉川英治 「宮本武蔵」
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