...お蔭で生命(いのち)だけは取り止めた...
薄田泣菫 「茶話」
...この上はこの人の丹精によって師匠の一命を取り止めるより道もないことと観念致しおった次第であった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...言わば取り止めのない悪夢のような不安の陰影が国民全体の意識の底層に揺曳(ようえい)していることは事実である...
寺田寅彦 「天災と国防」
...廻す拍子に一度危なく取落そうとしてやっと取り止めた様子は滑稽であった...
寺田寅彦 「蜂が団子をこしらえる話」
...一向取り止めのない判らない論文がよくあるものである...
戸坂潤 「読書法」
...一向取り止めの無い顔をして暮してしまいました...
野村胡堂 「踊る美人像」
...辛(から)くも命を取り止めたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一向取り止めなくなって...
久生十蘭 「魔都」
...などゝ取り止めもないことをつぎ/\と思つてゐた...
平山千代子 「「みの」の死」
...私が辛くも取り止めました...
牧野信一 「初夏」
...悟空は失神してゆく己が心を取り止めることが出来なかつた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...その季節のことを書けと云はれて、俄におもひ泛べられて来るかずかずをばメモのやうに書き付けて見る、ほんのなんの、取り止めもなく...
正岡容 「下町歳事記」
...我国の禁止や制限を取り止め神の慈悲深き叡智に抗することを止めさえすればよいのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...お取り止めの石ださうであるが...
室生犀星 「名園の落水」
...世にも取り止めのない...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...只いろいろと取り止めもない夢のような事を考えている...
夢野久作 「暗黒公使」
...やう/\に取り止め候ひしとか承り及びて候...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...お取り止めもなりますまい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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