...取り止めがないじゃないか」「それああなた...
徳田秋声 「蒼白い月」
...取り止めもない断片的なもののようでもありましたし...
豊島与志雄 「渡舟場」
...取り止めの無い考えで...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...漸(ようや)く命だけは取り止めましたが...
野村胡堂 「呪の金剛石」
...私が辛くも取り止めました...
牧野信一 「初夏」
...その季節のことを書けと云はれて、俄におもひ泛べられて来るかずかずをばメモのやうに書き付けて見る、ほんのなんの、取り止めもなく...
正岡容 「下町歳事記」
...我国の禁止や制限を取り止め神の慈悲深き叡智に抗することを止めさえすればよいのである...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...取り止めた考(かんがえ)というものは何ひとつ持っていないのに...
水上滝太郎 「九月一日」
...自分の存在を彼らに知らせようとする瓦(かわら)を積んでは崩(くず)すような取り止めもない謀略(はかりごと)が幼い胸中に幾度か徒事(あだ)に廻(めぐ)らされたのであったがとうとう何の手段(てだて)をも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を見つけてくれたが偶然上を見た子が意外な場所に佇む私を見るとさもびっくりしたような顔をして仲間の者にひそひそとささやく気配だった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...しかもその荒れた有様を取り止めようとしてゐない...
室生犀星 「名園の落水」
...そうしてトウトウ絶対に取り止めが出来なくなったのが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...そんな風でどこが悪いといって取り止めた事は一つもなかった上に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...(美濃入(みのい)りは取り止めか)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...きょうの軍議によって決定した出陣のことはにわかに取り止めるという旨を...
吉川英治 「新書太閤記」
...お取り止めなされませ」「ほかならぬ...
吉川英治 「新書太閤記」
...お取り止めもなりますまい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...生命(いのち)だけはまあ取り止めるらしいが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...のみならず狂乱に近くなった彼女は取り止めのない言葉を口走ると共に肌身離さぬ短剣をスラリと引き抜いて我れと我が咽喉(のど)に擬した...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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