...お蔭で生命(いのち)だけは取り止めた...
薄田泣菫 「茶話」
...今までに奪われて居る商権は取り止めて...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...それで彼の行商を取り止め...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...全く無意味と云ってもよい取り止めのない独語(ひとりごと)を洩(も)らす癖がある...
谷崎潤一郎 「細雪」
...中は珍しくもたわいのないことが取り止めもなく書き連ねてあるに過ぎなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...やっと命だけは取り止めたが...
寺田寅彦 「柿の種」
...ラジオの放送を聞きながらこんな取り止めもないことを考えていたのであった...
寺田寅彦 「相撲」
...ただ取り止めもつかぬ短夜の物語である...
寺田寅彦 「やもり物語」
...幸いに命を取り止めて来た今日でもやはり断えず何かしら病気をもっていない時はないように思われる...
寺田寅彦 「笑い」
...いたずらな努力を尽して生命を取り止めようとしても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...取り止めにしていいわ...
豊島与志雄 「春盲」
...出発三日前に急に取り止めることになった...
中谷宇吉郎 「国際雪氷委員会のことなど」
...辛(から)くも命を取り止めたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...などゝ取り止めもないことをつぎ/\と思つてゐた...
平山千代子 「「みの」の死」
...悟空は失神してゆく己が心を取り止めることが出来なかつた...
牧野信一 「闘戦勝仏」
...取り止めもねえことばかりいっているので――大した高慢な口を利くだけで...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...自分の存在を彼らに知らせようとする瓦(かわら)を積んでは崩(くず)すような取り止めもない謀略(はかりごと)が幼い胸中に幾度か徒事(あだ)に廻(めぐ)らされたのであったがとうとう何の手段(てだて)をも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を見つけてくれたが偶然上を見た子が意外な場所に佇む私を見るとさもびっくりしたような顔をして仲間の者にひそひそとささやく気配だった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...お取り止めの石ださうであるが...
室生犀星 「名園の落水」
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