...それは取り止めもない妄想だ...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...この上はこの人の丹精によって師匠の一命を取り止めるより道もないことと観念致しおった次第であった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...やっと命だけは取り止めたが...
寺田寅彦 「柿の種」
...二昔も程遠き今日からふりかえって考えてみると夢のような取り止めも付かぬ切々(きれぎれ)が...
寺田寅彦 「車」
...このような取り止めのない妄想に耽っている間に...
寺田寅彦 「凩」
...ラジオの放送を聞きながらこんな取り止めもないことを考えていたのであった...
寺田寅彦 「相撲」
...言わば取り止めのない悪夢のような不安の陰影が国民全体の意識の底層に揺曳(ようえい)していることは事実である...
寺田寅彦 「天災と国防」
...一向取り止めのない判らない論文がよくあるものである...
戸坂潤 「読書法」
...六 ニッポン・イデオロギー――日本精神主義・日本農本主義・日本アジア主義一日本主義・東洋主義乃至アジア主義・其他々々と呼ばれる取り止めのない一つの感情のようなものが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...いたずらな努力を尽して生命を取り止めようとしても...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...父の命はようやく取り止めたものの...
永井隆 「この子を残して」
...消えゆく夢をしばし取り止めようとする至難の事業である...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...取り止めのない顔で日暮れを待ちました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...取り止めもなく喋りちらしたのち例によってそそくさ立ち上がりながら親父の圓太郎はもういっぺん改まってこう頼んでかえっていった...
正岡容 「小説 圓朝」
...お取り止めの石ださうであるが...
室生犀星 「名園の落水」
...只いろいろと取り止めもない夢のような事を考えている...
夢野久作 「暗黒公使」
...そうしてトウトウ絶対に取り止めが出来なくなったのが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...お取り止めもなりますまい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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