...この上はこの人の丹精によって師匠の一命を取り止めるより道もないことと観念致しおった次第であった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...全く無意味と云ってもよい取り止めのない独語(ひとりごと)を洩(も)らす癖がある...
谷崎潤一郎 「細雪」
...このような取り止めのない妄想に耽っている間に...
寺田寅彦 「凩」
...それは花や月その他いっさいの具象世界のあまりに取り止めどころのないたよりなさである...
寺田寅彦 「相対性原理側面観」
...それで自分のここに書いたこの取り止めもない追憶が...
寺田寅彦 「夏目漱石先生の追憶」
...廻す拍子に一度危なく取落そうとしてやっと取り止めた様子は滑稽であった...
寺田寅彦 「蜂が団子をこしらえる話」
...得たものはただ取り止めの付かぬ妄想に過ぎなかった...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...幸いに命を取り止めて来た今日でもやはり断えず何かしら病気をもっていない時はないように思われる...
寺田寅彦 「笑い」
...取り止めにしていいわ...
豊島与志雄 「春盲」
...父の命はようやく取り止めたものの...
永井隆 「この子を残して」
...――十歳(とお)ぐらいは老けていたよ」良庵の言うことは取り止めもありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...此の冷房も近いうちに取り止めとかいふ噂...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...取り止めた考(かんがえ)というものは何ひとつ持っていないのに...
水上滝太郎 「九月一日」
...やう/\に取り止め候ひしとか承り及びて候...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...仕事が取り止めになるんですえ」「何も...
吉川英治 「私本太平記」
...きょうの軍議によって決定した出陣のことはにわかに取り止めるという旨を...
吉川英治 「新書太閤記」
...お取り止めもなりますまい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...それからおよそ半刻(とき)ぐらいの間というもの、取り止めもなく、彼のふく尺八は、彼の煩悩(ぼんのう)を虚空へ遊ばせていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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