...トーアホテルで会った時の取り付きにくい印象とは別人のように活気づいて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...奥さんは取り付き把(は)のない人だといって笑っていました...
夏目漱石 「こころ」
...これでは取り付き把がないといわれるのも無理はないと思いました...
夏目漱石 「こころ」
...のみならずまだ秋の取り付きで運動中に照り付けられた毛ごろもは...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...側稜取り付きから三五分程で急に傾斜の増す地点がある(ここまで約七百歩)...
松濤明 「槍ガ岳」
...そこには、見るかげもなく、痩せ衰えた、長崎屋三郎兵衛が、敵味方同然になってしまった、この広海屋の主人与平と、こともあろうに、お互にすがりつくよう、取り付き合って、恐怖に充ち、苦痛に歪められた表情で、目の前に立つ、一人の男をみつめているのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...むやみ無性に駈け行きてかの樹の幹に近づくとたちまち守宮は樹の幹に飛び付きそれ私の方が一足捷かったと言われて野猪腹を立て一生懸命に駈け戻ると守宮素捷くその鬣に取り付きおり...
南方熊楠 「十二支考」
...取り付きようもないのではないか...
室生犀星 「陶古の女人」
...前からあった岩のような黒いものにひしと取り付き...
柳田国男 「海上の道」
...けれども手職(てしょく)が出来たらしい割りにお客の取り付きがわるく...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...これではいかぬと又四五人綱に取り付きましたが...
夢野久作 「白髪小僧」
...又もや綱に取り付きました...
夢野久作 「白髪小僧」
...先生の顔を見るとまるで神様がお出でになったように前後(まえうしろ)から取り付きまして...
夢野久作 「白髪小僧」
...天狗の取り付き処はなくなりそうに見えませぬ...
夢野久作 「鼻の表現」
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