...いささかも取り乱すことが無かったのだ...
太宰治 「駈込み訴え」
...やはり自分を取り乱すことが出来なかった...
徳田秋声 「爛」
...「どんなことがあっても!」おろおろと取り乱す夫人を励ますように...
久生十蘭 「キャラコさん」
...…人間というものは、取り乱すと、心にもないことを口走るものですからね...
久生十蘭 「キャラコさん」
...小松ほどの沈着な男でもやはり取り乱すこともあるのだと思い...
久生十蘭 「ハムレット」
...二度と取り乱すようなことはしない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...一家の母が打ちのめされ、取り乱す一方で、酒浸りのごろつきが高価な椅子に座り、臭いタバコを吹かしていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...青春を失った者は酔い泣きといっしょに過去の追憶が多くなって取り乱すことになるだろうから」と源氏の言うのを姫君も身に沁(し)んで聞いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それくらいの事で取り乱すのはチト気が狭過(せます)ぎるように思われるかも知れませぬが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...この期になって取り乱すのは...
吉川英治 「私本太平記」
...取り乱すまいと努めつつ唇を噛んでいる容子(ようす)が...
吉川英治 「松のや露八」
便利!手書き漢字入力検索