...……ほゝゝゝあなたの苦労性ったらない」木村は取りつく島を見失って...
有島武郎 「或る女」
...と云ひつゝいきなり父に取りつく 奈々子が菓子ほしいといふ時に...
伊藤左千夫 「奈々子」
...そんなの私の知つたことぢやないわ」取りつく島もなかつた...
武田麟太郎 「一の酉」
...そうですと答えてその場を取りつくろってくれたのかも知れない...
太宰治 「佐渡」
...とおもむろに衣紋(えもん)を取りつくろい...
太宰治 「新釈諸国噺」
...取りつく島も無かつた...
太宰治 「津軽」
...或る日の合戦に戦場に於いて行くえ不明になったかの如く取りつくろい...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...表面は他意なき体(てい)に取りつくろい...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...そう思うと私はますますどこへ取りつく島もないような気がして...
近松秋江 「霜凍る宵」
...兵馬はまたも取りつく島がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...体(てい)よく取りつくろって...
中里介山 「大菩薩峠」
...江戸屋敷では相解り兼ねるという取りつく島もない返答でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...左右から母子が取りつく)忠太郎 もう逢う用はねえやい...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...見てゐる多田君は取りつく島を失つたやうな空しさを覚えた...
北條民雄 「戯画」
...公然の罪悪を取りつくろうために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...伝六取りつく島も無い...
山中貞雄 「右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法」
...それは一歩たりと向うの峰へ取りつく術(すべ)もないまでに構築(こうちく)されていた...
吉川英治 「黒田如水」
...眼下に取りつく敵兵を待とうとする構想なのだ...
吉川英治 「私本太平記」
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