...どこにとて取りつくものもないようなむなしさが心には残っているばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...はんぶんはんぶん」といいつついきなり父に取りつく...
伊藤左千夫 「奈々子」
...年増がいい加減に取りつくろつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...仕方がないから「昨夜から腹を壊しまして」といってその場を取りつくろうと主任はギイギイ云う壊れかかった回転椅子の上に急に反り身になって...
海野十三 「深夜の市長」
...取りつく島もなささうに思はれる...
佐野昌一 「虫喰ひ算大會」
...市の助役がそのスッポン料理におもむくのと同じぐらいがつがつした食欲でその黒パンの皮に取りつくのかもしれない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そんなの私の知つたことぢやないわ」取りつく島もなかつた...
武田麟太郎 「一の酉」
...体裁を取りつくろってみました...
太宰治 「恥」
...どこへ取りつく島もないような気がして...
近松秋江 「狂乱」
...そう思うと私はますますどこへ取りつく島もないような気がして...
近松秋江 「霜凍る宵」
...上り口の徳利に取りつくと...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...何と取りつくろおうともしないところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...急にどう取りつくろう術(すべ)もないでいる...
中里介山 「大菩薩峠」
...取りつく島を失つた思ひで...
北條民雄 「月日」
...取りつくしまもないのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...「そうでしょう」取りつく島も無いのだ...
本庄陸男 「石狩川」
...破れて垂(た)れさがっている服の胸や腰のあたりを取りつくろう態度と手つきも...
三好十郎 「胎内」
...石垣へ取りつくのである...
吉川英治 「新書太閤記」
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