...中にはいるとわたしが困りますから」葉子は取りつく島もないようにといや味な調子でずけずけとこういった...
有島武郎 「或る女」
...初めから良心を授からないで生れて来たやうな勃凸の奇怪な自由さには取りつく島もないといふ風で...
有島武郎 「骨」
...取りつく島からまた流れて...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...と同じく父に取りつくのであつた...
伊藤左千夫 「奈々子」
...年増がいい加減に取りつくろつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...取りつく島もなさそうに思われる...
佐野昌一 「虫喰い算大会」
...青年は取りつく島(しま)がなかった...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...市の助役がそのスッポン料理におもむくのと同じぐらいがつがつした食欲でその黒パンの皮に取りつくのかもしれない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...一つの木に取りつくと...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...そうですと答えてその場を取りつくろってくれたのかも知れない...
太宰治 「佐渡」
...表面は他意なき体(てい)に取りつくろい...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それはまことに取りつく島もないものであつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...例の獅噛火鉢(しがみひばち)の周囲(まわり)に取りつくと...
中里介山 「大菩薩峠」
...伊代にとっては取りつくしまがなかった...
林芙美子 「帯広まで」
...破れて垂(た)れさがっている服の胸や腰のあたりを取りつくろう態度と手つきも...
三好十郎 「胎内」
...公然の罪悪を取りつくろうために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それは一歩たりと向うの峰へ取りつく術(すべ)もないまでに構築(こうちく)されていた...
吉川英治 「黒田如水」
...くどいことは訊いて下さるな」こんがらはそれに取りつく言葉もなく...
吉川英治 「剣難女難」
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