...又兵衛は特に傑出もしているようですし...
上村松園 「双語」
...岩佐又兵衛(いわさまたべえ)作「山中常盤双紙(やまなかときわぞうし)」というものが展覧されているのを一見した...
寺田寅彦 「山中常盤双紙」
...貴島又兵衛が、斎藤弥九郎の剣術を以て、桃井、千葉に劣ると断定したのは、何の根拠に出でたのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれなんぞ、ついぞ今日まで、神頼みも、仏いじりもしなかった、する気にもならなかった、今更、頼んだって、いじったって、かまってくれる神仏もあるまいに――と苦笑……「日ニ三度ズツ水行ヲシテ、食ヲスクナクシテ祈ッタガ、八九十日タツト、下谷ノ友達ガ寄ッテ、久シクオレガ下谷ヘ来ナイトテ、ナゼダロウト云ウト、オレノ家来分ノ小林隼太ガ、此頃ハ貧乏ニナッテ弱ッテイルト云ッタラ、皆ンナガ、気ノ毒ナコトダ、今迄イロイロ世話ニモナルシ、恩返シニハ少シデモ無尽(むじん)ヲシテ、掛捨テニシテヤロウカ、ソウ云ッテハ取ラヌカラ、勝ヲ会主ニスルガイイト相談シテ、鈴木新二郎ト云ウ井上ノ弟子ノ免許ノ仁ガ来テ、オレニ云ウニハ、今度友達ガ寄ッテ遊山無尽ヲ拵(こしら)エルガ、最早大ガイハ拵エタガ、オマエニ会主ヲシテクレロトイウカラ、ナッテクレロトイウ故ニ、ソレハヨカロウガ、此節ハ困窮シテ中々無尽ドコロデハナイカラ、断ワッテクレト云ッタラ、何ニシロ、オマエガ断ワルト出来ヌカラ加入シロト云ウ、掛金モ出来ヌトイッタラ、ソレデモイイカラトイウ故、承知シタトテ帰シタラ、二三日タッテ、マタ新二郎ガ来テ、帳面ヲ出シテ、金五両置イテ、此後ハ加入ノ人々ガ来ルト云ッテ帰ッタ故、全ク妙見ノ利益(りやく)ト思ッテ、ソレカラ直グニ刀ノ売買ヲシタラ、ソノ月ノ末ニハ、築地ノ又兵衛ト云ウ蔵宿ノ番当ガ頼ンダ備前ノ助包(すけかね)ノ刀ヲ、松平伯耆守ヘ売ッテ十一両モウケタガ、又兵衛モ、ウナギ代トテ別ニ五両クレタ、ソレカラ毎晩、江戸神田辺、本所ノ道具市ヘ出テハモウケスルコトガヨカッタカラ、復々(またまた)金ガ出来ル故ニ、諸所ノコン意ノ者ガ困ルト聞クト、助ケテヤッタ故、ミンナガヒイキヲシテ、イロイロ刀ヲ持ッテ来ルカラ、素人(しろうと)ヨリ買ウカライツモ損ヲシタコトハナカッタ、道具ノ市ニテハモウケノ半分ハ諸道具屋ヘ、ソバ又ハ酒ヲ買ッテ食ワセタユエ、殿様殿様ト云イオッテ、外ノ者ガカッテ物ヲ持ッテ来ルト、前金ニ内通シテクレル故、イチモ損ヲシナカッタカラ、伏ノ市ニハ切者(きれもの)ノモノニ、オレガカサヲアケサセタカラ見損ジテ、三匁ノ物ヲオレガ一分入レルト、カセアケガ段々見テ、勝様ハ三匁五分ト云ウカラ、五分ノ損ダカラヨカッタ、ソノ替リニハ、イツモ仕舞イニハソバヲタトエ五十人来テモ一パイズツニテモ、是非クワセルヨウニシテ帰シタカラ、町人ハ壱文弐文ヲアラソウ故、皆ンナガ悦ンデ、諸所ノ市場ニハ、オレガ乗ル蒲団ヲ一ツズツ拵エテアッタ、友達ガクヤシガッテ、イツモオマエハ、市デハ商人ガハイハイ云ウ、ドウイウ訳ダト云ウカラ、右ノ次第ヲ咄(はな)シタラ、ソレデハ損ダト皆々云ッタガ、タイソウ得ニナッタ、ソレカラ借金ガ四十俵ノ高デ三百五十両半アルカラ、女郎ヲ買ッタト思ッテ、金ノハイル度々(たびたび)、段々トウチコンダカラ、二年半バカリニ三四十両ニナッタ、コワイモノダ」やりくりというものは、窮するが如くして迫らざるところのあるものだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...ここの拝殿に例の岩佐又兵衛の国宝歌仙額があるが鍵ががっちりして開かない...
中里介山 「武州喜多院」
...又兵衛の娘――喜太郎には叔母に当るお米(よね)を嫁取(めと)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...主人の又兵衛と平次だけです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...喜太郎が死んで一番儲かるのは、河内屋の大身代を相続する者で、順序から言えば、又兵衛の姉娘、――馬場要の配偶(つれあい)になっているお米ですが、これは痩せても枯れても武家の内儀(おかみ)で、既に他家に縁付いた上は、いまさら夫を捨てて河内屋へ帰ることもならず、そうかといって、夫の馬場要と一緒に、河内屋へ入込むことは、父親の又兵衛が承知しそうもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...亀蔵は二十二日に高野領清水村の又兵衛と云うものの家に泊って...
森鴎外 「護持院原の敵討」
...三 高田の大工(だいく)又兵衛と云ふ者...
柳田国男 「山の人生」
...二本松というのは渡辺又兵衛のことである...
山本周五郎 「竹柏記」
...母方の叔父の渡辺又兵衛が...
山本周五郎 「竹柏記」
...久三郎は渡辺又兵衛と親しそうで「頼めば便宜を計らってくれるかもしれない」と云った...
山本周五郎 「花も刀も」
...ぬかるな」――又兵衛の退がった後も...
吉川英治 「新書太閤記」
...これへ近づいた四方田又兵衛が...
吉川英治 「新書太閤記」
...若輩であるが、特殊な使いを命じたため、四方田又兵衛も、光秀の心底を、或る程度、覚(さと)っておるものと思われる」「――ああ」左馬介光春は、聞き終るとともに、天井を仰いで長嘆した...
吉川英治 「新書太閤記」
...かんかんにお叱りになった又兵衛長頼です...
吉川英治 「新書太閤記」
...又兵衛は、大莫迦(ばか)者ですから」「そちこそ童(わらべ)のくせに、何をいう...
吉川英治 「新書太閤記」
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