...なお胸に去来する思いは絶えぬらしく...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...胸中に去来する劇(はげ)しい感情のために思うように言葉も続かぬ様子であった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...蒼穹(そうきゅう)を去来する白雲(はくうん)の一片とをうかべているだけだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...晴、といつても梅雨空、暗雲が去来する...
種田山頭火 「行乞記」
...節序に従って去来するものは...
永井荷風 「巷の声」
...去来する霧のひまに...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...近頃人も無気(なげ)に出没する怪盗――風のごとく去来するから世間では風太郎(かぜたろう)と言っておりますが――には全く手を焼いてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嘉吉の心の裡には何とも云ひやうのない落莫としたものが去来するのであつた...
林芙美子 「朝夕」
...心に去来するものは...
林芙美子 「浮雲」
...胸中に去来するもののなかに...
林芙美子 「浮雲」
...けれど私の心の中を去来する激しい孤独を理解されたなら...
北條民雄 「孤独のことなど」
...風のように去来する可憐なボオイ・ソプラノはなんとも云えず美しいものだった...
堀辰雄 「木の十字架」
...邦夷の胸中を去来する不安はなかなかに消え兼ねた...
本庄陸男 「石狩川」
...死者の魂の去来する根国というものがあったかどうか...
柳田国男 「海上の道」
...その心に去来する想いがどのようなものであるか...
山本周五郎 「新潮記」
...去来する表情の一つ一つを...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...特にこの相談めいたことの去来する親しさも増すようになった...
横光利一 「旅愁」
...彼らは諸惑星の後の歴史から知っていた――引き続く諸種族はこの悍ましい存在に患わされることなく去来することが精神投影によって示されたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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