...「お前なんぞは何時でも帰れるじゃないか?」ノスタルジアに感染した西村は月明りの中に去来する...
芥川龍之介 「長江游記」
...さういふシテが置物のやうなワキと調和ある位置を終始保つて去来するありさまを見て...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...蒼穹(そうきゅう)を去来する白雲(はくうん)の一片とをうかべているだけだった...
谷譲次 「踊る地平線」
...身辺を幻影しきりに去来する...
種田山頭火 「松山日記」
...もう帰るかもう帰るかと心待ちにしていると自然と表通りを去来する人力車の音が気になる...
寺田寅彦 「追憶の冬夜」
...昼と夜とは永遠に変わることなく去来する...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...白雲去来するをさえ気にせぬ...
永井隆 「長崎の鐘」
...風のごとく去来する怪盗が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...去年の暮あたりから風のごとく去来する怪賊...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...心に去来するものは...
林芙美子 「浮雲」
...それでも霧の去来する僅の間隙から日光のこぼれることもあり...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...けれど私の心の中を去来する激しい孤独を理解されたなら...
北條民雄 「孤独のことなど」
...うっすら女主人公は夫の心に去来するものを掴(つか)んだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...或いはまた人間の霊魂の去来する聖地もまたニライであり...
柳田国男 「海上の道」
...――ただ時をきっていろいろな幻想があたまのなかを去来する...
山本周五郎 「柳橋物語」
...去来する表情の一つ一つを...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...駅の露西亜建築を背景にして去来するのが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...美濃(みの)の連山を去来するその黒い迷雲から時々...
吉川英治 「宮本武蔵」
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