...去年の秋の末に、福富が轉任して來てからは、餘り煩悶もしないやうになつた...
石川啄木 「葉書」
...はては峰越(をごし)に遠山の山ふところに飛び去りて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...之によりて過去の人文を想像し...
高木敏雄 「比較神話学」
...と過去の悲惨も思い出され...
太宰治 「新樹の言葉」
...何が起こっても無表情な世界……そして一瞬の腹立たしさも過ぎ去ると...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...豹は恐れて逃げ去った...
田中貢太郎 「仙術修業」
...それは消え去っていないにしても...
津田左右吉 「東洋文化、東洋思想、東洋史」
...槍をもて 335おのおの覘過ちて利刄空しく飛び去れば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...去年の秋から、家を離れて、田舎へ稼(かせ)ぎにいっている兄の傍には、暫く係合(かかりあ)っていた商売人(くろうと)あがりの女が未だに附絡(つきまと)っていたり、嫂(あによめ)が三つになる子供と一緒に、東京にあるその実家へ引取られていたりした...
徳田秋声 「あらくれ」
...痛みの去った美代子に向って...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...女房の実家(さと)へ置き去りにして来た娘に逢ったんだ...
永井荷風 「雪解」
...一二年前から一昨日(おととい)まで持ち越した現在に等しい過去である...
夏目漱石 「坑夫」
...それに新しき意義を與へつつ「過去」を成立たしめるものは「囘想」(又は記憶)の働きである...
波多野精一 「時と永遠」
...(詩入(しいり))「国を去って京に登る愛国の士...
福田英子 「妾の半生涯」
...眞の歴史は過去の意味を有する歴史でなく...
三木清 「歴史哲學」
...あいさつもせず馳け去ってしまった...
吉川英治 「三国志」
...そのうえで立ち去らんと……」張遼がいうのを聞いて...
吉川英治 「三国志」
...――すなわち尊氏が、ひそかに、「そちだけは、ここを去って、河内の楠木ノ兵衛(ひょうえ)に会うて来い」と、介(すけ)を密使として途中から放したのは、それ以前のことに属(ぞく)し、従って介が、下赤坂や金剛の峰をうろついていた時よりも、日はあとへもどり、同時にその天地もここで筑紫の一角へ移るとする...
吉川英治 「私本太平記」
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