...それは徒(いたず)らに厳めしい塀と...
海野十三 「地球盗難」
...「此処から入りますよ」一つの厳めしい門がすぐきた...
田中貢太郎 「蘇生」
...一方そこには荘重な名辞と厳めしい語調がある...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...まだ頭の中に残ってる刑務所内の生活、厳めしい建物、陰欝な空気、看守の顔、そういうものに対照して、何と娑婆の世界が輝いてることか...
豊島与志雄 「川端柳」
...平素厳めしい大叔父さんがふざけるのを喜んだらしく...
豊島与志雄 「人の国」
...銀の覆輪を施した厳めしい大積雲の群峯が...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...わざわざ六(む)つかしく厳めしい本を玄関に積み重ね...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...厳めしい物知り顔がこう言う...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...白金(プラチナ)よりも堅く厳めしい大氷原のただなかで...
久生十蘭 「南極記」
...然しどうも」巡査部長は厳めしい紋切型で...
久生十蘭 「魔都」
...あの厳めしい壁に取りかこまれて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...彼女は自分の身内に対しては飽くまでも厳めしい礼儀を強ひるのだ...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...藤屋氏にとつての――」崖から崖へ差し渡した橋を渡るとピエル・フオンの館の厳めしい門である門の傍に丸型の実物大のブロンズの楯が掛つてゐる...
牧野信一 「ピエル・フオン訪問記」
...気を付ケ! 番号! などといふ厳めしい号令がかかつた...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...木を画いても必ずしも大木の厳めしいところを画かないで...
正岡子規 「病牀六尺」
...私は花崗石の厳めしい門を潜(くぐ)ったとき烈しい胸さわぎと辱しめとを殆んど同時に感じた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...謹んで御殿の厳めしい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...厳めしい顔をふり向けて...
若杉鳥子 「浅間山麓」
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