...当直の行厨(べんたう)につかふ食器を新しく拵(こしら)へた...
薄田泣菫 「茶話」
...三時(じ)になると彼(かれ)は徐(しづか)に厨房(くりや)の戸(と)に近(ちか)づいて咳拂(せきばら)ひをして云(い)ふ...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...三娘はそれから厨(だいどころ)へ入って往って母にかわって炊事をし...
田中貢太郎 「水莽草」
...外国航路の厨夫(ちゅうふ)だったんですが...
林芙美子 「新版 放浪記」
...詩を斎く黄金の厨子があつて...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...この正月は『文芸』へ横光の「厨房日記」の評を二十三枚...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...厨川との事が、どうにもならないでいるのに、一方で叔父さんと又――せい あの方とは、なんでもありゃしないと、これ程言ってるじゃありませんの...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...厨人(ちゅうじん)の如何に苦心せしやは料理法に重きを置かるる者の等しく知らんと欲する処(ところ)ならん...
村井弦斎 「食道楽」
...うろたえて手でおし止めるような恰好をして母は厨へ入っていった...
矢田津世子 「父」
...いや心得た」大助は厨(くりや)へとんでいった...
山本周五郎 「新潮記」
...欄間(らんま)や厨子(ずし)を見廻して...
吉川英治 「江戸三国志」
...御厨ノ伝次か人見新助か...
吉川英治 「私本太平記」
...御厨ノ伝次は、ふと、木枕から首をもたげて、「ははあ、また出かけたな...
吉川英治 「私本太平記」
...……あなた」厨房(くりや)の珠すだれを掻きわけて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...講堂、房、書院、厨(くりや)、寐屋(ねや)などの棟が、かなり奥の林まで曲がりくねって建ててある...
吉川英治 「親鸞」
...……たのむ」かくれもない事なので、御厨の浦人が、何度もいって聞かせるまでもなく、小次郎もよく知っている...
吉川英治 「平の将門」
...御(おん)たましい研所(とぎどころ)本阿弥(ほんあみ)門流厨子野(ずしの)耕介と読める板が軒先に出ている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...自己の影を拝まれながら「御(おん)たましい研所(とぎどころ)」の厨子野(ずしの)耕介の門口へ歩み寄って行った小次郎の心には...
吉川英治 「宮本武蔵」
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