...その棚の上に厨子(ずし)があり...
井上円了 「おばけの正体」
...法隆寺には巧みに出来た偽の玉虫厨子が安置してあったのです」「偽物? ああ云う古代美術の偽物を拵えるなんて...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...くつきりと御厨子の暗に浮出して來た...
薄田泣菫 「西大寺の伎藝天女」
...細君の締め残してあった壁厨(おしいれ)の襖を開けた...
田中貢太郎 「平山婆」
...厨を出たところには...
田山花袋 「道綱の母」
...厨川の方から誰か?誠 いや...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...厨子王は子(かれいけ)を持って厨(くりや)へ餉(かれい)を受け取りに往った...
森鴎外 「山椒大夫」
...厨子王は姉の様子が二度目に変ったらしく見えるのに驚き...
森鴎外 「山椒大夫」
...子(かれいけ)だけ持って往くのだよ」厨子王は黙って聞いていたが...
森鴎外 「山椒大夫」
...厨の方から伝わって来るパチパチという木の燃える音と...
柳田国男 「故郷七十年」
...それから厨(くりや)のほうへいったが...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...厨(くりや)と書斎に在(あ)りしことの寂(さび)しきを知らざりしかな...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...あわてて久子だけが抜けて寺房の厨(くりや)へ隠れた...
吉川英治 「私本太平記」
...厨(くりや)、風呂場、座敷、どうもそういう匂いがする...
吉川英治 「治郎吉格子」
...厨(くりや)のすぐそばの小部屋で...
吉川英治 「新書太閤記」
...厨(くりや)の竈(かまど)に火を焚(た)き...
吉川英治 「親鸞」
...そこの古いお厨子(ずし)は青漆塗(せいしつぬ)りで玉虫貝(たまむしがい)の研(と)ぎ出しであったかと思う、その厨子の前へ、朝に夕に眉目(みめ)のいやしくない老婆が、合掌する、不思議はない、御先祖を拝むのだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そして伊勢大神宮の御厨(みくりや)の土地でもあった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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