...厠(かはや)に上(のぼ)る故なるべし...
芥川龍之介 「雑筆」
...その人が夜中厠(かわや)へ入って用を足しながら何気なく格子の外を覗(のぞ)いた...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...厠の戸をあける音がした...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...今や桔梗の方の厠の真下にある坑道の闇(やみ)に土龍(もぐら)の如くうずくまっている様子は...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...此の厠の室内もたった一つしかない窓の障子に...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...下の廊下の突当りのところにある厠からもどつて来た時には...
田山録弥 「島の唄」
...厠(かわや)へ入って...
徳田秋声 「縮図」
...これは男子たる方々の厠の式で...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...下の厠だけでも五ヶ所あった...
直木三十五 「南国太平記」
...厠(かわや)へ行ったのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...僕が厠へ行くため...
原民喜 「飢ゑ」
...上の厠(かわや)といっている二ノ間つきのご不浄は...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...私は厠(かわや)にはいっていた...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...毎朝歯を磨くにも多量の塩を用ゐ厠(かわや)用の紙さへも少からず費すが如き有様なりしかば誰も元義の寄食し居るを好まざりきといふ...
正岡子規 「墨汁一滴」
...厠(かわや)のうしろには山吹(やまぶき)と石蕗(つわぶき)と相向へり...
正岡子規 「わが幼時の美感」
...されど枕擡(もた)ぐることも懶くて、湯なども吸呑(すひのみ)てふ物より臥しながら飲みて、厠に往かむにも、人の肩に掛かりて、一人には背を押さへられつつ、虫などのはふさまして行きぬ...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...時としては厠(かわや)にまで下って来たと見ていい...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...厠(かわや)のほうへ小走りに去った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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