...見れば、なる程、厚味ありて、燒きもよささうにて、毫も厭味なく、やゝ黄味を帶びたる白色の外には、たゞ藍色にて下戸不レ知レ藥の五字が書かれたり...
大町桂月 「獨笑記」
...可なりな厚味のあるべきものが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...高いほどの厚味の...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...肉体(からだ)も、厚味のある、幅の狭い、そう大きくなくって、私とはつりあいが取れていた...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...あるいは「緑のハインリヒ」以上の厚味のある作品となりえたかもしれない...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...土蔵の戸前は非常に厚味のある板を二重に張って...
中里介山 「大菩薩峠」
...厚味が違いましょう」「なるほど」「時代がさがると...
中里介山 「大菩薩峠」
...山は山らしい厚味があって...
中里介山 「大菩薩峠」
...幅にくらべて厚味の少ない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...いかにもふっくりと厚味がある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ただ頁をばらばらと翻(ひるがえ)して書物の厚味ばかりを苦にするように眺めた...
夏目漱石 「明暗」
...たっぷりと厚味のある身体...
野村胡堂 「胡堂百話」
...かなりの厚味をもつてむつつりと結ばれた唇と共に...
北條民雄 「青年」
...日中は四月半ばの陽気で太陽の光線もじつとりと厚味を持つて重苦しいくらゐであつたが...
北條民雄 「道化芝居」
...お上のお躯は厚味の御膳を多食なさるため...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...四寸(すん)も厚味のある幅広い長方形のものにしてから...
横光利一 「笑われた子」
...据斬(すえきり)、試(ため)し物目録一陣笠(じんがさ)、厚味三分七厘...
吉川英治 「山浦清麿」
...われわれは衣に包まれた体から推測してそこに厚味のある色を補おうとする...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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