...まん中のかなり厚味のあるところは廻らない...
海野十三 「怪星ガン」
...その紙切れは長さも幅も厚味も丁度官製ハガキ程の正確な長方形で...
江戸川乱歩 「悪霊」
...厚味のたっぷりある...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...恐ラク一冊ニ綴(と)ジタ厚味ノアルモノガ慌テテ荒々シク座布団ノ下カ何カヘ押シ隠サレル音デアッタ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...肉体(からだ)も、厚味のある、幅の狭い、そう大きくなくって、私とはつりあいが取れていた...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...あるいは「緑のハインリヒ」以上の厚味のある作品となりえたかもしれない...
アネッテ・フォン・ドロステ=ヒュルスホフ Annette von Droste=Hulshoff 番匠谷英一訳 「ユダヤ人のブナの木」
...厚味が違いましょう」「なるほど」「時代がさがると...
中里介山 「大菩薩峠」
...いかにもふっくりと厚味がある...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...ただ頁をばらばらと翻(ひるがえ)して書物の厚味ばかりを苦にするように眺めた...
夏目漱石 「明暗」
...たっぷりと厚味のある身体...
野村胡堂 「胡堂百話」
...七色の虹のなかにある月が、しだいに、雲の厚味で、ぼやける...
火野葦平 「花と龍」
...頭髪だけは黒々と厚味をもったのが...
北條民雄 「いのちの初夜」
...日中は四月半ばの陽気で太陽の光線もじつとりと厚味を持つて重苦しいくらゐであつたが...
北條民雄 「道化芝居」
...厚味のある重さうな何々色のカーテンをあたりに引き廻らせれば温かく落つく...
牧野信一 「悪筆」
...四寸(すん)も厚味のある幅広い長方形のものにしてから...
横光利一 「笑われた子」
...想像以上な厚味と歴史を感じるのだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...据斬(すえきり)、試(ため)し物目録一陣笠(じんがさ)、厚味三分七厘...
吉川英治 「山浦清麿」
...われわれは衣に包まれた体から推測してそこに厚味のある色を補おうとする...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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