...肉感的に厚みを帯びた...
有島武郎 「或る女」
...厚みもこのくらい...
梅崎春生 「狂い凧」
...一フィートもしくはそれ以上の厚みのパルプ状の枝のかたまりをなし...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あの、紙のように薄い乳房の附いた、板のような平べったい胸、その胸よりも一層小さくくびれている腹、何の凹凸(おうとつ)もない、真っ直ぐな背筋と腰と臀の線、そう云う胴の全体が顔や手足に比べると不釣合に痩せ細っていて、厚みがなく、肉体と云うよりもずんどうの棒のような感じがするが、昔の女の胴体は押しなべてあゝ云う風ではなかったのであろうか...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...覚束ない蝋燭の灯がその厚みを穿つことが出来ずに...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...」黒雲はその厚みが測り知れないほど重畳していた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...葦の茂みはひそと静まり返っていて、その表面に、人影だけが、何の厚みもなく、紙のように平べったく、浮き出してるのである...
豊島与志雄 「ものの影」
...性格にも思想にも生活にも何の厚みもなく...
牧野信一 「妄想患者」
...それは葉書大の二インチほどの厚みを持ったボール箱で...
松本泰 「謎の街」
...武蔵野の黒い土の厚みを二つにはいで...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...我々の武器の重さや厚みなどを考えてみると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...目が密で厚みがあり織(おり)もよく...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...石だから重みや幅さや厚みや大きさが整い...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...標準は「五十(ごとう)」といって幅一尺、厚み五寸、長さ三尺である...
柳宗悦 「野州の石屋根」
...厚みを求めるのである...
柳宗悦 「和紙の美」
...ヒユシ豆腐を厚みに切って油で揚げたものを...
柳田國男 「食料名彙」
...この机の厚みが一インチある...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
...そうして肉の厚みが多すぎる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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