...以て御身心の安寧と併て現世死地の人民及将来の災厄を偏に御救済あらん事を厚く願上候...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼に厚く礼を言った...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...それが次第に厚くなってゆく...
豊島与志雄 「蠱惑」
...厚くお礼を述べて...
豊島与志雄 「シャボン玉」
...「牧を、手厚く、葬ってやってもらいたい」小太郎は、こう叫ぶと、何故か――それは目的を果たしたことに対する嬉しさの涙であると共に、牧への手向けの涙でもあったか――薄い憐れさが、湧いて来て、涙が浮んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...厚く礼を陳(の)べ候て立出(たちい)で候ものゝ...
永井荷風 「榎物語」
...物理学や化学の方が信用が厚くて...
中谷宇吉郎 「ジストマ退治の話」
...厚くって鮪(まぐろ)の切り身を生で食うと同じ事だ...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...厚く白粉を刷いた顏が夜眼にもまつ白く見えた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...手厚く連れてこられるものとして待ちかまえていた女たちはそれを見ると戦慄(ふるえ)た...
長谷川時雨 「テンコツさん一家」
...翌朝厚く礼を述べ...
南方熊楠 「十二支考」
...お寺で人に會ふと人間は禮儀を厚くするやうになるものである...
室生犀星 「京洛日記」
...偽りなきわが心を厚く信じたれば...
森鴎外 「舞姫」
...それは僕みたいにつらの皮を厚くしてまでも持たねばならぬ覚悟なのだ...
山之口貘 「つまり詩は亡びる」
...厚く捲(まく)れあがった赤い大きな濡れた唇や...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...まだ暗く厚く茂つてゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...偽(いつわ)りの多い人だったから、彼女も初めは、ばばの懺悔(ざんげ)に、またいつ、変化が来まいものでもないと思っていたが、日がたつほど、かえってばばの真情は、濃く厚く、細やかになるばかりだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...室の壁には金や銀の装飾が厚く嵌め込んであった...
和辻哲郎 「鎖国」
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