...落葉が厚く積っていて...
太宰治 「姥捨」
...」王夫人は悦(よろこ)んで小翠をもらい受けることにして厚くもてなした...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「小翠」
...掌(てのひら)が厚くたっぷりと肉を持ち...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...こちらからも厚くお詫びを申述べたい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「ワーニャ伯父さん」
...むすび上代に厚くて近代に疎になったが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...従って砂利を厚く入れてもその下の土は凍るので...
中谷宇吉郎 「凍上の話」
...眉(まゆ)厚く鼻の間せわしからずして次第に高く...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...木の葉が厚く繁っているので...
久生十蘭 「湖畔」
...あるいはその実の薄きを顧みずしてその名を厚くせんとし...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...父母は慈愛厚くして子は孝心深く...
福沢諭吉 「日本男子論」
...手厚く介護してきた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...あの、精悍無比にして、義に富み、信に深く、崇神の念に厚く、婦女を敬ひ、智謀に長けた永遠の血脈をありのまゝに中世紀時代の数々の騎士達の胸に伝へて、大陸の歴史を花と色彩つたところのガスコン民族やゴツス人の精気が、凝つて一団となり此処にも生れたか――と思はずには居られない程に、この奔放無礙なる大振舞ひに一途の精神を打ち込めた太鼓たゝきの荒武者の打ち鳴らす太鼓の音は、聴く者、視る者の魂を力強く極楽の空に拉した...
牧野信一 「バラルダ物語」
...ために人間社会を幸福に導(みちび)き人生を厚くする...
牧野富太郎 「植物知識」
...外面は霧厚くこめて上野の山も夢の如く...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...厚く御礼を申し上ぐるところである...
南方熊楠 「十二支考」
...一家から厚くもてなされていることを話して...
室生犀星 「津の国人」
...自然を知ることよりも自然を信ずることの方がさらに厚く自然を理解させる...
柳宗悦 「工藝の道」
...数千の兵馬で厚く守られている...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??