...厚く礼を述べたうえ...
犬養健 「“指揮権発動”を書かざるの記」
...彼女は一時東北の郷里に帰省して来ると述べて生前亡夫に対する僕等の好意を厚く謝した...
辰野隆 「感傷主義」
...「俺の方は壁が厚くて...
田中貢太郎 「瞳人語」
...厚く礼をいってからその場を立ち去りました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...厚くてしかも柔かに地上離れて神支ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...年々上野や芝山内の樹木の枯死するのを見てゐる東京人の眼には京都はいかにも松樹千歳の緑に包まれ青苔日に厚く自ら塵なき舊都であるやうに思はれる...
永井荷風 「十年振」
...お婆さんは与八に厚く礼を言った上に...
中里介山 「大菩薩峠」
...厚く御礼を申述べておく...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...岩や灌木を厚く封じる苔と羊歯...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...雪が厚く殘つてゐた...
野上豐一郎 「北信早春譜」
...ああこの溶けてゆく春夜の灯かげに厚くしつとりと化粧されたるひとつの白い額をみるちひさな可愛いくちびるをみるまぼろしの夢に浮んだ顏をながめる...
萩原朔太郎 「青猫」
...唇に厚く紅を塗つて出掛けた...
林芙美子 「暗い花」
...その通り騾は頭厚く短く...
南方熊楠 「十二支考」
...厚く財を献じてお抱寝(だきね)と称し...
南方熊楠 「十二支考」
...長く降るよりも厚くふり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...作手(つくで)の甘泉寺(かんせんじ)に手厚く葬ったのでも分るし...
吉川英治 「新書太閤記」
...死体はみな一つ一つ手厚く葬って...
吉川英治 「新書太閤記」
...――義に厚く、侠につよく、たいそう金ばなれもきれいな人とは伺っておりますが」「なにを隠そう、じつは今度のわしの用向きというのは、その晁蓋から頼まれて、或る一用を帯びて参ったわけじゃが」「では、なんですかい...
吉川英治 「新・水滸伝」
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