...フランスはヤソ教を信ずること必ず厚く...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...彼はペロリと食(たべ)て厚く礼を言い...
関根黙庵 「枯尾花」
...彼と世間を隔てている透明な隔壁が次第に厚くなるのを感じていた...
寺田寅彦 「球根」
...ヂュウスの惠厚くしてトロイア堅城壞る時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...頭上には密雲が厚く重なり...
豊島与志雄 「北極のアムンセン」
...厚く御礼申し上げます」と...
直木三十五 「南国太平記」
...それを布の上に厚く敷いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...自ら恃む所頗る厚く...
中島敦 「山月記」
...厚く白粉を刷いた顏が夜眼にもまつ白く見えた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...スポリと被(かぶ)せられた風呂敷は厚く...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...絨毯(じゅうたん)は分厚く...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...翌朝厚く礼を述べ...
南方熊楠 「十二支考」
...厚くクレイトスの霊を弔ったのみならず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...厚くふくらんだその手紙を披(ひら)いた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...厚く捲(まく)れあがった赤い大きな濡れた唇や...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...布子(ぬのこ)や胴服(どうふく)を厚く兄の身へ着せた...
吉川英治 「新書太閤記」
...――義に厚く、侠につよく、たいそう金ばなれもきれいな人とは伺っておりますが」「なにを隠そう、じつは今度のわしの用向きというのは、その晁蓋から頼まれて、或る一用を帯びて参ったわけじゃが」「では、なんですかい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...偽(いつわ)りの多い人だったから、彼女も初めは、ばばの懺悔(ざんげ)に、またいつ、変化が来まいものでもないと思っていたが、日がたつほど、かえってばばの真情は、濃く厚く、細やかになるばかりだった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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