...厚く御禮申上げます...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...桑は不思議な物として見るに忍びないので手厚く葬った...
田中貢太郎 「蓮香」
...昔は厚く塗りかためた土蔵づくりの家並ばかりだったので...
田山花袋 「日本橋附近」
...『信頼われに厚くして神託降るが儘に曰へ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...牲の頭を厚く掩ふ*柔毛ざくと斬り落す...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼自(みず)から信ずる頗る厚く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...終りに岩崎氏其他の有志諸氏に厚くお礼申しあげる...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...「牧を、手厚く、葬ってやってもらいたい」小太郎は、こう叫ぶと、何故か――それは目的を果たしたことに対する嬉しさの涙であると共に、牧への手向けの涙でもあったか――薄い憐れさが、湧いて来て、涙が浮んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...蒲団(ふとん)を頭のところからよく被(かぶ)っていねえと隙間(すきま)から風が入る」与八はお松に夜具を厚く被せてやって...
中里介山 「大菩薩峠」
...この点で結晶が厚くなり二重構造に発達するために出来るものということが分った...
中谷宇吉郎 「『雪華図説』の研究」
...草むらの萌草(もえぐさ)の厚く茂れる底に...
夏目漱石 「薤露行」
...いゝね厚く切ってピンとくいちぎって見たい……がんもどき竹輪につみれ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...之はやはり大阪風に肉の切味を厚く...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ことに手厚く演者はねぎらわれたのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...美があるものは厚く保存せよ...
柳宗悦 「民藝四十年」
...国民の衣服の近世甚だしく厚くるしくなったのを考えますと...
柳田国男 「山の人生」
...彼が厚く信頼もし...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その青年父子に――青年のお父さんといふは年老いた醫師であつた――厚く禮を述べ...
若山牧水 「樹木とその葉」
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