...厚紙の軍帽(しやつぽ)やら...
石川啄木 「刑余の叔父」
...月村様のお厚情(こころざし)...
泉鏡花 「薄紅梅」
...護送の看守が「開門!」と呼ばわって厚い鉄板ばかりの戸を開かせて...
大杉栄 「続獄中記」
...その妙味の汲みつくし難い大洋のような分厚い重さ...
高村光太郎 「ミケランジェロの彫刻写真に題す」
...明るい燭台の下で厚い洋書らしいものを...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...彼の厚い醜い唇からはじまつてしだいに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...のりの悪い白粉(おしろい)を厚くつけた女が...
直木三十五 「近藤勇と科学」
...やはり表面には柴土を厚く被っている...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...口を開(あ)けて鰯(いわし)を吸う鯨(くじら)の待ち構えている所まで来るやいなやキーと軋(きし)る音と共に厚樫(あつがし)の扉は彼らと浮世の光りとを長(とこし)えに隔(へだ)てる...
夏目漱石 「倫敦塔」
...厚い硝子(ガラス)越しにこの状(かたち)を観測していたが...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...友情と厚意は、フウイヌムの美徳です...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...これほど手厚い歓待を受けては...
久生十蘭 「魔都」
...アザラシ皮のようにてらてらして分厚くて光沢がある...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...派手(はで)でそして重厚な貴女らしさを失わぬ用意のあるおかしずきをしていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...今夜も訪ねて來たことが厚面しいやうな氣がして...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...相互補助がもっと厚く苗代川の寿命を守ったと思える...
柳宗悦 「苗代川の黒物」
...……濃緑の厚い天鵞絨(びろうど)のような苔に包まれた井戸...
山本周五郎 「日本婦道記」
...格別の御厚遇に預り...
夢野久作 「涙のアリバイ」
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