...黒褐色の厚手のやきものだ...
梅崎春生 「幻化」
...二冊の部厚な記録を...
江戸川乱歩 「悪霊」
...しまりのない厚ぼったいくちびる...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...これを無視して甲には厚く...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...公使館のお客さまとして厚遇されているわけだったんです...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「消えた霊媒女」
...数学の書物を開いて見ると、立体とは長さと幅と厚さとの有るもの、面とは長さと幅とが有るだけで、厚さの無いもの、線とは長さが有るだけで、幅も厚さも無いもの、点とは長さも幅も厚さも何も無いものと云ふ意味に書いてあるが、実物から獲た経験によると、立体の最も薄つぺらなのが面、面の最も幅の狭いのが線、線の最も短かいのが点である、即ち点を引き延ばせば線に成り、線を打ち広げれば面と成り、面を膨らせば立体となつて点から立体までの間に何処にも境界は無い...
丘浅次郎 「固形の論理」
...大きな厚ぼったい塀(へい)が家の周囲に繞(めぐ)らされておりまして...
高浜虚子 「俳句への道」
...戦時的色彩が日にまし濃厚になる...
種田山頭火 「旅日記」
...しだいに厚い人垣を築きながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...相當刄の厚いものらしく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...監獄の厚い壁を通して...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...僕にむかって微笑(ほほえ)みかけてくれる顔、僕をちょっと眺める顔、僕に無関心の顔、厚意ある顔、敵意を持つ顔、……だが、それらの顔はすべて僕のなかに日蔭(ひかげ)や日向(ひなた)のある、とにかく調和ある静かな田園風景となっている...
原民喜 「鎮魂歌」
...その人となり敦厚(とんこう)にして...
穂積陳重 「法窓夜話」
...応挙が画くごとにその物に経験厚い人の説を聞いたはもっともだ...
南方熊楠 「十二支考」
...温良敦厚(とんこう)な紳士...
柳宗悦 「全羅紀行」
...扉(ドア)が厚いからね...
夢野久作 「焦点を合せる」
...まだ分厚いものだったが...
吉川英治 「三国志」
...土地(ところ)の人々の手厚い埋葬があったとみえ...
吉川英治 「平の将門」
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