...厚ぼったいような感じになった口びるはわれにもなくわなわなと震えて来た...
有島武郎 「或る女」
...厚い藺(い)の筵が...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...分厚(ぶあつ)な刀身は...
梅崎春生 「桜島」
...厚き愛慕の祝意を表せざらんとしてもえない者でございます」まずこれくらいで宜しかろう...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...」そして敏子さんは厚っぽくふくらんでる洋封筒を手に取りながら...
豊島与志雄 「好意」
...しかしその眼にはいらだった厚かましい好奇心の色が見えていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...恥かしげな而も厚かましい...
豊島与志雄 「理想の女」
...少し厚みのある真紅な唇は...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...厚い霞(かすみ)が一枚一枚取れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...欅(けやき)の厚板で組んだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...が其処(そこ)は篤実温厚だけに...
二葉亭四迷 「浮雲」
...熟したアケビの実の皮は厚ぼったいものである...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...厚顏無耻なのか、無智の極(きよく)罪が無いのかわからないおりかに對しても、とるにも足りないものに向ふ時の、ゆとりのある心持が湧いて來た...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...坂口安吾より太宰治より濃厚に戦慄的に描き出しているドストイェフスキーの文学は...
宮本百合子 「新しい文学の誕生」
...階前の薔薇(ばら)の花が少し咲きかけた初夏の庭のながめには濃厚な春秋の色彩以上のものがあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...年とともに重厚になり円熟もして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...私達夫婦は古澤先生が静かな処へ滞在させようと云ふ御厚意から...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...もし彼を説いて、予の面前へつれてきたら、糜芳は厚く用い、汝にはさらに恩賞を加えるだろう...
吉川英治 「三国志」
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