...彼はその御茶屋の一室で厚い絹布(けんぷ)の夜具に包まれて...
芥川龍之介 「東京小品」
...或る所では十三メートルの厚さに熔岩が敷きつめ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...□今月号から日月社の安藤枯山(こざん)氏の御厚意で私の留守中丈(だ)け雑務をとつて下さることになりました...
伊藤野枝 「編輯だより(一九一五年九月号)」
...世にも厚き御情(おんなさけ)に心にもなき情(つれ)なき事の數々(かず/\)...
高山樗牛 「瀧口入道」
...当時のドイツ人に通有な厚かましい軽蔑(けいべつ)の態度で...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...首筋の後ろに血潮の厚い皮ができるようになったそうである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...竹につく滓(かす)の厚く...
直木三十五 「死までを語る」
...大正二年の夏慶應義塾講演會の大阪に開催せられた時わたしも厚かましく講演に出掛けたのが旅行の最終であつた...
永井荷風 「十年振」
...ずつと重(おも)くて厚(あつ)さうなものが懸(かゝ)つてゐた...
夏目漱石 「門」
...また多数に擁(よう)せられ新政厚徳(こうとく)の旗(はた)を揚(あ)ぐるに至った心中は...
新渡戸稲造 「自警録」
...無邪気とも言える厚顔が愛されて...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...京のは濃厚で、江戸のは淡泊です...
正岡子規 「俳句上の京と江戸」
...肉厚なペンキ絵のようなヒロイズムではありません...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ヒユシ豆腐を厚みに切って油で揚げたものを...
柳田國男 「食料名彙」
...厚い大きな唇はきみの悪いほど赤かった...
山本周五郎 「さぶ」
...靱負はごく温厚な...
山本周五郎 「日本婦道記」
...横から見れば必ず硝子の厚みがわかると同時に濃淡二様の二重映像が見えるのと同じ道理であります...
夢野久作 「鼻の表現」
...「何よりの心づけかたじけない」大勘の厚意を謝して...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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