...卻つてしまひには犬の方が疲れて目が眩んで來るのです...
江南文三 「相川おけさ」
...自分のあらゆる幸福を相次いで卻(しりぞ)けてしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...晩年先生の著書には卻て是を見ず...
永井荷風 「鴎外全集刊行の記」
...花開いて風卻て寒し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...病身この景物に対すれば卻て一層の悲愁を催す...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...炎暑九月に入りて卻て熾なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...風卻て沈静し、草の葉も動かず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...日頃(ひごろ)は閑卻(かんきゃく)している慚愧(ざんき)と絶望の念(ねん)が動き初めるにつれて...
永井荷風 「ひかげの花」
...早く工場を売卻(ばいきゃく)して...
永井荷風 「ひかげの花」
...夜熱之ガ為ニ卻テ炎々タリ...
永井荷風 「申訳」
...唐詩にある「卻望并州是故郷」の感じで見返ったことを覚えている...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...南方先生若い盛りに黒奴(くろんぼ)女の夜這(よば)いを叱(しか)り卻(かえ)したに次いで豪い(『別訳雑阿含経』巻二十...
南方熊楠 「十二支考」
...(マルガレエテに敬意を表して卻(しりぞ)く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...卻て日本労働者の堪へ得ない強度の力役に服し得るのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...張學良の北軍が関外へ退卻せねばならなくなつた時である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...祖先崇拝の日本や支那の方が一般に卻て墓に対する用意が浅いのはなぜであらうか...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...私達は冒険の積りで来て卻て何の事も無いのに安心しながら...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...行行向北卻逢春...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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