...――「卻(かへ)つて并州(へいしう)を望めば是(これ)故郷」と支那人の歌つたのも偶然ではない...
芥川龍之介 「本所両国」
...この時アヌンチヤタが我を卻(しりぞ)けて人に從ひし悲痛は...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...之を以てイエスの熱心を賞揚すると同時に彼の思想の未だ猶太思想の旧套を脱卻する能わざりしを憐む...
内村鑑三 「聖書の読方」
...卻つてしまひには犬の方が疲れて目が眩んで來るのです...
江南文三 「相川おけさ」
...母はゲーレスが腹打立てゝ卻けやうと思ふたから(she had hoped that Gareth would refuse indignantly)...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...異薬を卻(しりぞ)け...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...花開いて風卻て寒し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...炎暑九月に入りて卻て熾なり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...夜熱之ガ為ニ卻テ炎々タリ...
永井荷風 「申訳」
...南方先生若い盛りに黒奴(くろんぼ)女の夜這(よば)いを叱(しか)り卻(かえ)したに次いで豪い(『別訳雑阿含経』巻二十...
南方熊楠 「十二支考」
...客は多く卻(しりぞ)けられるようになった...
森鴎外 「魚玄機」
...紫玉が祝儀を卻(しりぞ)けたのは曲が茶弘にあったのである...
森鴎外 「細木香以」
...卻て日本労働者の堪へ得ない強度の力役に服し得るのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...「滅二卻心頭一火亦涼」と云つた火定(くわぢやう)の僧の覚悟は...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...実は卻つて阿片の吸飲を公認して...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...張學良の北軍が関外へ退卻せねばならなくなつた時である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...旅順や大連で多く観て来たアカシヤは卻つて此地には少い...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...卻是今年春送人...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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