...三卷に分けてあるだけで...
武田祐吉 「古事記」
...次第に旗のごとく帶のごとくその山巓を卷かんとす...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...さうして小さな手荷物を砂利の上に卸して毛糸の白い襟卷を擴げて顎から口へ掛けて包んだ...
長塚節 「商機」
...佳味(うめ)え物(もの)有(あ)つたら此方(こつち)へ持(も)つて來(こ)う」先刻(さつき)の首(くび)へ珠數(じゆず)を卷(ま)いた小柄(こがら)な爺(ぢい)さんが呶鳴(どな)つた...
長塚節 「土」
...講義はいつでも午後の三時からといふ風で先生が襟卷をして...
西田幾多郎 「井上先生」
...吉住求馬と申す者だが――」變な事からこの渦中に卷込まれた吉住求馬は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...寢卷に乾いた土と媒埃(すゝほこ)りをうんと附けて居るのは變だね」平次は萬筋の地味な寢卷を念入りに調べて居ましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「死んだ者の首に扱帶を卷いたのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黒雲位は卷き起し兼ねないからな」平次はチヤリを入れ乍らも膝を乘出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...木戸番の久兵衞がとぐろを卷いて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...身幅を廣く縫つた寢卷きを着てゐるので...
林芙美子 「あひびき」
...大卷(おほまき)さんと喧嘩(けんくわ)でもしたのでは無(な)いか...
樋口一葉 「たけくらべ」
...卷パンの食べ殘りである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...卷八に其娘名は光照前...
南方熊楠 「人柱の話」
...文庫からその手紙を取り出して見ると卷紙一間くらゐに...
室生犀星 「京洛日記」
...つひには幾卷をかなしけむ...
森鴎外 「舞姫」
...そして彼は身を取り卷く不思議な物象に眼をやつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...別に追つ拂はれる事もないのだが矢張り斯うして長いものに卷かれてゐた方が自分の氣持の上に寧ろ平穩である事を知つて居るからであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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