...洋燈は細めて危なくない所に置いたら可いだらう...
石川啄木 「天鵞絨」
...爆心地居住は衛生上危なくないからすみやかに帰って来て再建を始めるように広く呼びかけました...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...「槍をなんと致される」役人は兵馬に向って尋ねますと、「あの小兵の男、何者とも知らねど槍の扱いぶり至極(しごく)めずらしい、一手(ひとて)応対を致してみたいと存じます」「ナニ、貴公があの中へ出向いてみたいと言わるるか」「左様にござる、で、卒爾(そつじ)ながらそのお槍の拝借をお願い致す儀でござる」若いに似合わず大胆な言いぶりでしたから、面々(めんめん)は感心もし、危なくも思い、「それは近頃お勇ましいお申し出でござるが、御覧の通り、あれは人間業(にんげんわざ)でない奴、うっかり近づくよりは遠巻きに致して疲れを待つ方が得策でござる、捨てておかっしゃい」「いやいや、あの勢いではなかなか以て疲れは致しませぬ、たとえ一時(いっとき)たりとも参宮の街道を、あの狼藉(ろうぜき)に任せおくは心外、よって拙者が応対をしてみたいとの所望、それを御承知願いたい」役人は、兵馬が小賢(こざか)しい物の言いようをするとでも思ったのか、「せっかくながら狼藉を取鎮めるは拙者共の役目、貴公らのお骨折りには及び申さぬ」「しからば是非もない」兵馬はぜひなく立って、なお米友とムクとの働きぶりを見ようとしたが、人立ちで背伸びをしても中を覗くことができませんでした...
中里介山 「大菩薩峠」
...危なくツルツルと辷(すべ)りそうなのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...第一と同じように危なく飛び下りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの三百八十両を抜かれたばかりに、昨夜(ゆうべ)は両国橋から、危なく若い二人、身を投げるところよ」「一人は彦兄イの――娘お富さんとか言ったね」「それまで知っているなら、言うだけ野暮だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...危なく殺されるところだつたんで」「殺されかけたといふのか」「寢て居る顏の上へ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...生命財産を危なくする心配はないのです...
服部之総 「撥陵遠征隊」
...危なくならないで? あなたのご主人はなんでも上役の言うとおりだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...危なくないと思うところまでその枝をずっと先の方へ行くなら...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...大急ぎで来たものですから」「ここは危なくないよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...輪がちぢめられてると眼先が危なくなり...
室生犀星 「めたん子傳」
...足もとが危なくなってきたのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...危なく倒れそうになった...
山本周五郎 「風流太平記」
...できたのでしょうか」「危なくなったからです」と新八はせきこんで云った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...たちまち危なくなった...
吉川英治 「三国志」
...耳から顎(あご)へかけて赤い一筋――森啓之助は危なくなった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...うぬの首も危なくなるぞ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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