...単なる悪戯(いたずら)のためでないことは申すまでもありますまい...
上村松園 「迷彩」
...それかといって単なる学者では勿論駄目である...
寺田寅彦 「教育映画について」
...正数と負数との単なる対立はそれ自身としては少しも弁証法を構成しない...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...真の不安は単なる不安ではなくてその解消への力だというのである...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...単なる多数に他ならず...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...もうそれは単なる英子への愛のみではなかった...
豊島与志雄 「運命のままに」
...茲に取立てて述べるにも価しないような単なる浮気沙汰で...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...単なる力です...
豊島与志雄 「椿の花の赤」
...単なる名取という以上に...
豊島与志雄 「表現論随筆」
...実際的な観点から衛生学は常に前面に出ていて宗教的な考えは単なる口実であった...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...始まりは単なる老人性痴呆症だったのだと言えますね――加齢による脳の器質的な変性です...
H・ビーム・パイパー H. Beam Piper The Creative CAT 訳 「最愛の君」
...坂の途中から体力に逆つた単なる慣性で止むなく二本の脚が猛烈な威勢で空滑りしたやうなものであつたから...
牧野信一 「創作生活にて」
...複雑的美思想簡単なる時代には美術文学に対する嗜好(しこう)も簡単を尚ぶは自然の趨勢なり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...また単なる労作の収穫でもなく...
柳宗悦 「工藝の道」
...無用な飾りや単なる思いつきのために歪(ゆが)められているのです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...とにかくに我々の根の国が単なる凶地ではなかったことは...
柳田国男 「海上の道」
...やはり単なる武士道の典型という以上に...
柳田国男 「雪国の春」
...単なる都見物が当人の目的でもなし...
吉川英治 「私本太平記」
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