...卒然として来り我等を茫莫(ママ)のうちに残すもの...
芥川多加志 「四人」
...なんともいえない無気味な死の脅かしが卒然として葉子を襲った...
有島武郎 「或る女」
...卒然として私は自分自身の卑怯(ひきょう)に烈しい反感を感じた...
石川啄木 「弓町より」
...彼は卒然として思い起した...
梅崎春生 「記憶」
...彼は卒然として最初の幸太郎の手紙のことを思い出した...
梅崎春生 「狂い凧」
...辻褄の合わぬ奇妙な一枚の絵を描き残したまま卒然として怪しげな変死を遂げてしまったのは...
大阪圭吉 「闖入者」
...淋しい大きな空の翼はから鳴りを發し忽ち日を蔽ふやうに暗くなり卒然として舞ひ下り深淵はそこに開け...
千家元麿 「自分は見た」
...殊に文中卒然としてでてくる「本木昌造樣へも御遣し被下度...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...卒然として機関説排撃運動へと戦線統一を企てることが出来るようになった...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...卒然として神秘的なテーゼを持ち出して来る...
戸坂潤 「思想としての文学」
...卒然として未来におけるわが運命を自覚した時の涙は発作的(ほっさてき)に来る...
夏目漱石 「虞美人草」
...女は卒然として、「じゃ、もう帰りましょう」と言った...
夏目漱石 「三四郎」
...この一刻の幸(ブリス)から生ずる永久の苦痛がその時卒然として...
夏目漱石 「それから」
...その時彼の心を卒然として襲って来たものがあった...
夏目漱石 「明暗」
...卒然としてこの錯雑紛糾した事件の真相を洞察(みぬい)てしまった...
久生十蘭 「魔都」
...それが卒然として或る刺※から詩を書き初めた...
福士幸次郎 「太陽の子」
...さしもの鈍物が卒然としてさめた...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...やはり卒然として同様の事件は発生したであろう...
柳田国男 「雪国の春」
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