...卒然としてこの改定案を示し...
芥川龍之介 「文部省の仮名遣改定案について」
...なんともいえない無気味な死の脅かしが卒然として葉子を襲った...
有島武郎 「或る女」
...卒然として私は自分自身の卑怯に烈しい反感を感じた...
石川啄木 「弓町より」
...彼は卒然として思い起した...
梅崎春生 「記憶」
...彼は卒然として最初の幸太郎の手紙のことを思い出した...
梅崎春生 「狂い凧」
...淋しい大きな空の翼はから鳴りを發し忽ち日を蔽ふやうに暗くなり卒然として舞ひ下り深淵はそこに開け...
千家元麿 「自分は見た」
...獨り病室に委棄されて冷血なる看護婦の手に守られつゝある文太郎の屍に想到して彼は卒然として歩を病室の方に返した...
高濱虚子 「續俳諧師」
...卒然として骨牌や話相手に興味を失い...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...卒然として往年かの二艦を横浜の埠頭(ふとう)に見しことを思い出(い)でたる武男は...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...殊に文中卒然としてでてくる「本木昌造樣へも御遣し被下度...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...卒然として機関説排撃運動へと戦線統一を企てることが出来るようになった...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...卒然として冷かな鏡の裏を掠(かす)めて去った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...この一刻の幸(ブリス)から生ずる永久の苦痛がその時卒然として...
夏目漱石 「それから」
...暗中に卒然として白刃を見る思があった...
夏目漱石 「門」
...人形だけを渡して置きました」「エッ」鯛六の顔色が卒然として変りました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...俺に渡りがつけたいのだ」平次は卒然として問いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それが卒然として或る刺※から詩を書き初めた...
福士幸次郎 「太陽の子」
...やはり卒然として同様の事件は発生したであろう...
柳田国男 「雪国の春」
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