...卒然として来り我等を茫莫(ママ)のうちに残すもの...
芥川多加志 「四人」
...彼は卒然として思い当った...
梅崎春生 「狂い凧」
...彼は卒然として最初の幸太郎の手紙のことを思い出した...
梅崎春生 「狂い凧」
...我が貿易は卒然として止まるであろう...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...淋しい大きな空の翼はから鳴りを發し忽ち日を蔽ふやうに暗くなり卒然として舞ひ下り深淵はそこに開け...
千家元麿 「自分は見た」
...卒然として之に對すれば相當大きい堆積であり數人の力では一通り眼を通すさへ困難な位であるが...
橘樸 「支那を識るの途」
...北支事変の発生によって政治的な挙国一致なる儀礼が卒然として社会的に発生し得るということのメカニズムは...
戸坂潤 「挙国一致体制と国民生活」
...決して卒然として思いつかれたものや何かではない...
戸坂潤 「辞典」
...雜誌の寄稿者たる佐治君に對して消滅しつゝあつた疑問が卒然として復起した...
長塚節 「教師」
...その問題は「卒然として答えるにはあまりに多岐多端なことであるから...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...卒然として容赦なく食道を逆(さか)さまに流れ出た...
夏目漱石 「思い出す事など」
...卒然として冷かな鏡の裏を掠(かす)めて去った...
夏目漱石 「思い出す事など」
...卒然として未来におけるわが運命を自覚した時の涙は発作的(ほっさてき)に来る...
夏目漱石 「虞美人草」
...女は卒然として、「じゃ、もう帰りましょう」と言った...
夏目漱石 「三四郎」
...すると、平岡は急に様子を変えて、落ち付かない眼を代助の上に注いだが、卒然として、「そりゃ、僕も疾(と)うから、どうかする積りなんだけれども、今の所じゃ仕方がない...
夏目漱石 「それから」
...この一刻の幸(ブリス)から生ずる永久の苦痛がその時卒然として...
夏目漱石 「それから」
...高柳君は卒然として帽子を取って...
夏目漱石 「野分」
...その時に筆者は卒然として問うた...
夢野久作 「近世快人伝」
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