...また、卑劣な人もあり、生きている人にはらう卑劣な服従と下等な奴隷(どれい)根性のうらみを、すでに死んだ有名な人に晴らして喜ぶのだ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...生活の不充實から來る倦怠を辛うじて逃げる卑劣な手段として...
有島武郎 「幻想」
...卑劣な癖が付いてるんだ...
泉鏡花 「歌行燈」
...ある卑劣な探偵が...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...けれどもそれは私の卑劣な云ひ訳けに過ぎませんでした...
伊藤野枝 「九州より」
...自分の醜い処を覆はふとするやうな卑劣なまねは子供に見せたくないと思ひます...
伊藤野枝 「私信」
...概していへば当時の余の心状は卑劣なりしなり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...自ら「当時の余の心状は卑劣なりしなり」と明らさまに書く処に二葉亭の一生鞭撻(べんたつ)してやまなかった心の艱(なや)みが見えておる...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...かつ卑劣なる主人にありては...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...ただその男ちゅうのんが卑劣な奴で...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...」「なぜ?」「あなたのような……卑劣な人とは...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...何といふ卑劣な愚かしさだらう...
萩原朔太郎 「芥川龍之介の死」
...「愛」がなんらかの卑劣な妥協を含むなら...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...この卑劣な行為の記憶だけは...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...卑劣なオランダ人に殺された...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...まさかその卑劣な霞がガウワー通りに見えたのは...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...卑劣なまねは決してしたことはないぜ」「――――」金之助は盃を置いた...
山本周五郎 「落ち梅記」
...そんな卑劣な、醜汚なことをしていて、きさまは人間に生れてきたことを誇れると思うのか」道之進の肩はいつか細々とすぼまっていた...
山本周五郎 「夜明けの辻」
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