...しかも明治維新とともに生まれた卑しむべき新文明の実利主義は全国にわたって...
芥川龍之介 「松江印象記」
...あゝ戮力を待つて成立し得べき道徳は卑しむべき哉...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...卑しむべき人たるも許されるであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...卑しむことはできませぬ」「それで――」左源太は...
直木三十五 「南国太平記」
...しかしてそは全く遠島(えんとう)に流され手錠(てじょう)の刑を受けたる卑しむべき町絵師の功績たらずや...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...浜町の方にては川向(かわむこう)の地を卑しむことあたかも新橋芸者の烏森(からすもり)を見下すにぞ似たりける...
永井荷風 「桑中喜語」
...○遊芸の師匠にして長唄手踊何でもござれでやらかすは五もくの御師匠さんとて人の卑しむ処なり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...人のいやがる小説家と世の卑しむ妓女(ぎじょ)との野合(やごう)...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...こういう悪酒を作って売り出させようとする手段を卑しむのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...卑しむべきことだとも考えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この愛すべき雲助をかの卑しむべき折助と混同する奴さえある...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分で自分を卑しむ事ばかりだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私は彼等の物慾を卑しむわけではなかつたが...
牧野信一 「バラルダ物語」
...人の物質慾を卑しむといふわけではなく...
牧野信一 「村のストア派」
...「幸福」を天才、高貴、愛嬌の一種とする見方、「不幸」をなにかみにくい、日の目をおそれる、卑しむべきもの、一言でいえば憫笑すべきものとする見方は、きわめて深くおれの心に根ざしているのだから、もしおれが不幸であるとしたら、おれはもうおれ自身を尊ぶことができなくなってしまうだろうと思う...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...算盤を卑しむから数学も卑しまれる...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...これを卑しむとか...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...互にその卑しむ心を知り合つてゐる丈で満足して...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
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