...さうしてその炎の奧にはこの小さい拘泥を卑しむ哲學者の心が笑つてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...心を卑しくするの最も卑しむべきはいうまでも無いことである...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...禽獸の卑しむべきを知りて...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...卑しむことはできませぬ」「それで――」左源太は...
直木三十五 「南国太平記」
...せめて、わし一人でも、他人のせぬ、同志の卑しむ、金儲けをしようとおもう...
直木三十五 「南国太平記」
...しかしてそは全く遠島(えんとう)に流され手錠(てじょう)の刑を受けたる卑しむべき町絵師の功績たらずや...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...しかしてそは全く遠島に流され手錠(てじょう)の刑を受けたる卑しむべき町絵師の功績たらずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...況んや当今の教育英学を尊んで漢学を卑しむ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...人のいやがる小説家と世の卑しむ妓女(ぎじょ)との野合(やごう)...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...こういう悪酒を作って売り出させようとする手段を卑しむのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから神尾の家風を卑しむようになっている...
中里介山 「大菩薩峠」
...最も卑しむべき動物は百姓だ――これには強圧を加えるよりほかに道はないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...鈍(にぶ)い色をした卑しむべき原料から人工的に生れたのだと思うと...
夏目漱石 「思い出す事など」
...自分で自分を卑しむ事ばかりだ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...算盤を卑しむから数学も卑しまれる...
三上義夫 「文化史上より見たる日本の数学」
...その上自分は金錢について細かく云々する事を卑しむやうな教育を我家で受けて居たので...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...(b)世にこれほど恥ずべく卑しむべき事例はあるべからず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ただ末世に至って真の精神を忘れ形式に拘泥して卑しむべき武士道を作った...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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