...しかも明治維新とともに生まれた卑しむべき新文明の実利主義は全国にわたって...
芥川龍之介 「松江印象記」
...他人の飲酒をいちがいに卑しむ心持は起らなかった...
有島武郎 「星座」
...支配階級の「滅公奉私」の卑しむべき行為はアンドレ・モーロアの『フランス敗れたり』を一読する者のただちに痛感するところである...
石原莞爾 「戦争史大観」
...もっとも卑しむべきものを身に受けた私に...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...労働を卑しむ心が生じて...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...禽獸の卑しむべきを知りて...
高山樗牛 「美的生活を論ず」
...卑しむべき人たるも許されるであろう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...せめて、わし一人でも、他人のせぬ、同志の卑しむ、金儲けをしようとおもう...
直木三十五 「南国太平記」
...しかしてそは全く遠島に流され手錠(てじょう)の刑を受けたる卑しむべき町絵師の功績たらずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...況んや当今の教育英学を尊んで漢学を卑しむ...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...○遊芸の師匠にして長唄手踊何でもござれでやらかすは五もくの御師匠さんとて人の卑しむ処なり...
永井荷風 「偏奇館漫録」
...人のいやがる小説家と世の卑しむ妓女(ぎじょ)との野合(やごう)...
永井荷風 「矢はずぐさ」
...卑しむ色の見えけるにや...
樋口一葉 「軒もる月」
...私は彼等の物慾を卑しむわけではなかつたが...
牧野信一 「バラルダ物語」
...これを卑しむとか...
三上義夫 「和算の社会的・芸術的特性について」
...自分はその卑しむべき行爲の果實ではあり度くなかつたし...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...(b)世にこれほど恥ずべく卑しむべき事例はあるべからず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ただ末世に至って真の精神を忘れ形式に拘泥して卑しむべき武士道を作った...
和辻哲郎 「霊的本能主義」
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