...奮闘の価は卑しいといわねばならぬ...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...いままでついぞ口にしたこともないような卑しい口調で...
大阪圭吉 「死の快走船」
...その卑しい自己主義から……...
田山録弥 「真剣の強味」
...それは卑しい稼業の女にあくまでも愛着している...
近松秋江 「黒髪」
...ただ物質的な卑しい幸福のためのみに団結したというんだい? なぜ彼らのなかには...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...彼女のやさしい様子や卑しい媚(こ)びを思い出すにつれて...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...卑しい眼つきで通行人をうかがっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...卑しい財宝と位階とに包まれて白日の下をはばかり気もなくのさばり歩いていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そこはある半羊神が百万の富者になり卑しいチュルカレーがプリアプ神になったという話しにふさわしい...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...卑しい人間においては凶悪となる表情があった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...其れをば春子の兩親は已にジエヱムスと春子の間に何等か卑しい關係の結ばれてゐたやうに...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...また我儘(わがまま)な卑しい心であろう...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...持前の卑しい虚栄心が出て...
牧野信一 「スプリングコート」
...親代々の芸人は根性からして卑しいや)こうもまた罵っていた...
正岡容 「小説 圓朝」
...口で忠義立をする程卑しいことはありませぬ...
森鴎外 「假名遣意見」
...低く卑しい者の手にあっては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...生れも育ちも卑しいし...
山本周五郎 「花も刀も」
...多くの人の言動には卑しい動機が見えすいて感じられた...
和辻哲郎 「転向」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??