...いずれが卑しいかといえば...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...へっへっへっと卑しい追従(ついしょう)笑いするかのごとく...
太宰治 「畜犬談」
...油虫、油虫、昼も夜も、こゝにもそこにもぞろ/\、ぞろ/\、私は油虫を見るとぞつとする、強い油虫、そして弱い私!山羊髯がだいぶ長くなつた、ユーモアたつぷりである、これが真白になつたらよからう、今では胡麻塩、何だか卑しい...
種田山頭火 「其中日記」
...卑しい夢を見た、私の内心には、人を疑ひ人を虐げる卑しさがあるのだ、恥づべし、鞭つべし...
種田山頭火 「其中日記」
...彼がイタリーを知ってるのは「自然主義作曲家」らの卑しい音楽やウェルギリウスの故国が旅行中の文学者らにときおり感興を与えるテナーの小曲...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...卑しい人間においては凶悪となる表情があった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そう卑しい生立ちではないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...嘘は悪いばかりでなく、卑しいことよ...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...卑しい嘘つきの浮浪人なんだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...卑しい真似はしない...
久生十蘭 「雲の小径」
...此方で毛唐人だの赤髯だのと斯う云ふ卑しい言葉を使へば...
福澤諭吉 「明治三十一年三月十二日三田演説會に於ける演説」
...失恋の域にも達してゐない程のことを悲し気に吹聴する卑しい癖を持つてゐる...
牧野信一 「環魚洞風景」
...寧ろ重々卑しいが...
牧野信一 「蝉」
...卑しい田舍訛(いなかなまり)を朋輩に哂(わら)はれはしないかと氣遣つた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...そんなに根性の卑しいやつは...
森下雨村 「五階の窓」
...卑しいなされ方をも隠していらしった...
山本周五郎 「竹柏記」
...卑しい人ではあるが恐ろしい人ではない...
山本周五郎 「やぶからし」
...やがて猿のような卑しい冷笑を...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
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