...卑しい老人の口から...
芥川龍之介 「偸盗」
...まるで身を売るような卑しいことをして貴重なる生命を一時でも過ごすということはないのだ...
相馬泰三 「六月」
...卑しい稼業をしているわたしたちでも...
高見順 「いやな感じ」
...卑しい願望が、ちらと胸に浮ぶことは、誰にだってあります...
太宰治 「女の決闘」
...卑しい仕事に励みながら都市から都市へ仇のあとを追った...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...おれは卑しい欲望を持った人間ではあるけれど...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ただ物質的な卑しい幸福のためのみに団結したというんだい? なぜ彼らのなかには...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...身分が卑しいので...
中島敦 「南島譚」
...卑しいことばかりしてゐるやうな不甲斐なさにガンと胸を打たれた...
牧野信一 「鏡地獄」
...卑しい人間に限られた行爲だと確く信じて居た...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...今一歩で卑しい主計頭(かずえのかみ)の妻にされてしまう所などを読んでは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...卑しい体の部であるから小さくした...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...二度とこんな卑しい真似をしやがると叩き出すぞ」吉公は頭を抱え横っ跳びに逃げだした...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...卑しい笑い声をあげながら...
山本周五郎 「新潮記」
...そんな卑しいまねをする筈はない...
山本周五郎 「その木戸を通って」
...「あなたを恋してはじめて私の卑しいすべてが私をさいなみ初めました」と告白するその鼻が...
夢野久作 「鼻の表現」
...兄妹の恋や人妻の恋が非難せられるのはわかっているが恋を卑しいとしない時代に単なる恋が世間の非難をうけるというのは解し難い...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...自分の我を以て常に人の弱所を突こうとしている卑しい自分を絶えず見まもっている...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
便利!手書き漢字入力検索