...脊の低い半白(はんぱく)の老人が...
芥川龍之介 「漱石山房の秋」
...なるほどそこには浮世の苦労を嘗(な)めつくしたというような顔をした小柄の半白の老人が...
海野十三 「三人の双生児」
...かれ等の前には肥つた半白の父親と背の低い丸髷の母親とが並んで歩いて行つてゐた...
田山録弥 「草みち」
...その赤らんだ半白の束髪のうしろに...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...実業家らしい半白の男も降りた...
豊島与志雄 「小説中の女」
...半白の眉を笑み動かして...
豊島与志雄 「初秋海浜記」
...禿げかかった半白の髪を丁寧に撫でつけ...
豊島与志雄 「人の国」
...口髭半白くなられたり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...席を取りそこねて立っていた半白(はんぱく)の婆(ばばあ)に...
永井荷風 「深川の唄」
...ロッキー山脈を通じてメキシコに至るその辺に散布する Grizzly Bear(半白熊)...
中里介山 「大菩薩峠」
...元々良い男では無かったのですが、満面の皺も、半白の頭も、大して驚くに足らないとしても、上下とも歯が一本も無い上に、凡(およ)そ洋行帰りとは思えぬ野暮ったい姿で、昔乍らの秋田訛で、訥々(とつとつ)と自己紹介をするのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...半白の鬢にも血色の良い顔にも何んとなく返り咲く若い血潮が漲って居ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...上品めかした半白(はんぱく)の紳士を連れて帰ってきた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...半白の髪は、ぺたりとこめかみへかぶさるようになでつけてあって、シルクハットの広いつばが、かみそりの当った土気色の顔に、影を作っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...叮嚀(ていねい)に襷(たすき)をとって半白の頭を下げる祖母ちゃんに向い...
「小祝の一家」
...頭髪やヒゲは半白だが...
三好十郎 「樹氷」
...寄り眼になったような視線を柴田の半白の前髪にヒタと附けたまま...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...両のモミ上げは、わざとみたいな縮れ毛が渦を巻き、半白の髪を、むりに結い上げているのである...
吉川英治 「私本太平記」
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