...二八月も半ば過ぎと云ふ頃になつて...
有島武郎 「お末の死」
...それをまたひとりでここで見直しつつ、半ば過ぎると、目を外らして、多時(しばらく)思入った風であったが、ばさばさと引裂(ひっさ)いて、くるりと丸めてハタと向う見ずに投(ほう)り出すと、もう一ツの柱の許(もと)に、その蝙蝠傘(こうもり)に掛けてある、主税の中折帽(なかおれ)へ留まったので、「憎らしい...
泉鏡花 「婦系図」
...五十を半ば過ぎているにも拘らず...
犬田卯 「米」
...四月の半ば過ぎ、花の盛りにはおくれたれど、雜沓せざるを、その代りの取柄にとて、萩の舍先生と共にいでたつ...
大町桂月 「小金井の櫻」
...博覧会も滞りなく半ば過ぎた頃...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...八月の半ば過ぎにやっと河岸へ着いたという報(しら)せを受けました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...「こら! 降り! 降りんかいな!」残暑もそろ/\衰へかけた九月の半ば過ぎだつたけれど...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...ここに寺の建てられたのは四世紀の半ば過ぎで...
野上豊一郎 「パリの地下牢」
...梅二月も半ば過ぎ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五月も半ば過ぎになつてからのことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...稍廣く行はるゝに至つたのは天正の半ば過ぎてからであらう...
原勝郎 「日本史上の奧州」
...三十を半ば過ぎたくらいの男の人であると思った...
宮城道雄 「雨夜の駅」
...早やすでに半ば過ぎぬ...
宮崎湖処子 「空屋」
...――――――――――――夏が半ば過ぎた頃であつた...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...季節も半ば過ぎて方々の屋根の下から...
柳田國男 「家を持つといふこと」
...秋も半ば過ぎ――梁山泊では...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いまでは日本食の宴も半ば過ぎてテーブルを囲んだ人々の間を土人街の女が酒盃をみたしてまわっていた...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
...ジャマイカの南を廻って八月半ば過ぎその東端に出たが...
和辻哲郎 「鎖国」
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