...北の村端から東に折れると、一町半の寺道、其半ば位まで行つた時には、野送の人が男許り、然も皆洋服を着たり紋付を着たりして、立派な帽子を冠つた髭の生えた人達許りで、其中に自分だけが腕車の上に縛られてゆくのであつたが、甚(どんな)人が其腕車(くるま)を曳いたのか解らぬ...
石川啄木 「天鵞絨」
...すっぽりと被るのが、寒さを凌ぐより、半分は見得で、帽子の有無(ありなし)では約二割方、仕立上りの値が違う...
泉鏡花 「薄紅梅」
...半ば背後の私に言うかのように小さな声でそう言われて...
上村松園 「作画について」
...遂に二つの半球を引放すことは出来なかった...
海野十三 「諜報中継局」
...駒が岳を半周して...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...」彼女は半ば眠りながら考えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...接吻の方が何だかより多く純粋でかつ美しい気がしますね」この時自分達は二階の梯子段(はしごだん)を半分ほど降りていた...
夏目漱石 「行人」
...同じく教会の一オルガンひきに満足し切ったヨハン・セバスチャン・バッハと一世紀半を隔てて互いに相通ずる尊さでもあり...
野村胡堂 「楽聖物語」
...母親が無暗に伜を褒めるのを聽いた時俺は嫌な心持になつたよ」「呆(あき)れた野郎ですね」腰に半身の人形をくゝり附けて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一時から三時迄「弥次喜多」、三時半頃、漸く出来た「曲芸団」のプリントで、読み合せ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...彼が半狂乱の態でそんなに叫ぶと...
牧野信一 「泉岳寺附近」
......
正岡子規 「俳人蕪村」
...鵬斎は余命を保つこと猶一年半許(きよ)にして...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...半年以上使つてゐるうちに...
森鴎外 「大塩平八郎」
...側近の者たちがなにか思い違えているのだ」――私は二刻半ちかくも待つあいだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...上半身を心持ち前に傾けながら...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...姫山の西方半里の今宿から...
吉川英治 「私本太平記」
...変事を知らせにきた半斎の家の者も...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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