...『千早先生も又、甚(どんな)御事情だかも知れねえども、今急にお罷めアねえくとも宜うごあんすべアすか?』『安藤先生、』と東川は呼んだ...
石川啄木 「足跡」
...其時は、無精者の母親がよく健の前へ來て、抱いてゐる梅ちやんといふ兒に胸を披(はだ)けて大きい乳房を含ませながら、『千早先生、家の忠一は今日も何か惡い事しあんしたべすか?』などゝ言ふことがある...
石川啄木 「足跡」
...千早館の話は聞かなかったし...
海野十三 「千早館の迷路」
...鎌倉の令で河内の千早攻めに参戦を命ぜられていた...
吉川英治 「私本太平記」
...その千早の下へ、もっとも近々とせまって、対峙している寄手は、大仏陸奥守の一軍金沢右馬助の数千騎名越遠江守のそれにまさる一軍団...
吉川英治 「私本太平記」
...千早城の一千人は...
吉川英治 「私本太平記」
...千早城のひがし寄り北谷(金剛谷ともよぶ)の断崖へ胸をあてていた...
吉川英治 「私本太平記」
...千早城の大手、千早谷をへだてて赤滝山がある...
吉川英治 「私本太平記」
...崖(がけ)を行け」千早谷をうずめた兵...
吉川英治 「私本太平記」
...千早谷の右端の、はるか上のあたりにも、一団の人旋風(ひとつむじ)が忽然(こつねん)と現われて、「奪(と)ッた」「先陣の道をひらいたぞ」「これは大仏陸奥守の軍」「小笠原彦九郎の一手」「千葉大介の一勢」「敵のやぐら下へせまって、ここの一高地をわが手におさめた...
吉川英治 「私本太平記」
...千早の中へはいったのが身の因果(いんが)か何かは知らぬが」「それが正成の魔力だわ...
吉川英治 「私本太平記」
...「洛中を窺(うかが)いに出て来た正成の師にして千早の軍師吐雲斎なる者を...
吉川英治 「私本太平記」
...……たとえ楠木が追討ちかけて来たところで、千早の兵は、たかだか一千...
吉川英治 「私本太平記」
...千早の囲みが解けたと...
吉川英治 「私本太平記」
...近国近郡のひろい山野にその気運を鬱然(うつぜん)と萌(も)え出させた原動力は千早であった...
吉川英治 「私本太平記」
...あの千早の籠城やら一家の離散であったし――せめて...
吉川英治 「私本太平記」
...そこには旧千早城の柵(さく)やら矢倉が朽ち傾いていて...
吉川英治 「私本太平記」
...南河内千早赤坂村の彼の故郷へ立った...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
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