...あけぼのはなやまし、月かげはすべていとはし、日はすべてにがし、切なる戀に醉ひしれてわれは泣くなり、龍骨よ、千々に碎けよ、われは海に死なむ...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...「武男君」「やあ!千々岩(ちぢわ)君か...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...愕(がく)と目を開きし千々岩...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...千々岩と山木を等分に憤りを含みたる目じりにかけつつ「御厚意かたじけないが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...妻(さい)が病気すッから親に不孝をすッ法はなかもんじゃ」千々岩は慨然として嘆息し「いや実に困った事ですな...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...いまだ時々来てはあおる千々岩を満足さすほどの果断なる処置をばなさざるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...それに困った人はあの千々岩(ちぢわ)さん――たしかもう清国(あっち)に渡(い)ったように聞いたですが」山木はじろりとあなたの顔を見つつ「千々岩! はああの男はこのあいだ出征(でかけ)たが...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...鳥が鳴く、東の国に行き向い、千々の心を、尽しつつ荒びなす、醜(しこ)の醜臣(しこおみ)打ち払い、功業(いさお)立てなむ真心は、霞と共に大空に立渡りける「よう、よう」と一人が、叫んだ時、君不見(きみみずや)、方今天下転変の状内外上下都失倫(すべてみちをうしなう)「ちぇすとうっ」「舞うぞ」と、叫んで、有村が、影の閃く如く、座の真中へ出た...
直木三十五 「南国太平記」
...わが心慰めかねつ更科や姨捨山に照る月を見て月見れば千々に物こそ悲しけれ我身ひとつの秋にはあらねど中庭地白ウシテ樹ニ鴉棲ム...
萩原朔太郎 「月の詩情」
...いつだったか千々村がいっていた...
久生十蘭 「猪鹿蝶」
...千々子さまが賢夫人の耳元で...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...このたびの千々子さまの失敗を思いあわせて...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...千々子さまと早くからお出かけになりましてございます...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...千々子さまがいたためしがない...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...シュラー氏と千々子さまの間できめられることで...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...あれでよく働く鵜(う)なんです」「千々子を引合いにだすのは...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...千々子さまの鼻唄がきこえていた...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...月見れば千々(ちぢ)に物こそ悲しけれ我身一つの秋にはあらねどといふ歌は最も人の賞する歌なり...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
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