...十分なる重訂もえせられず...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...すなわちこの句では季題が話題として無造作に使用されているようであってその実季の十分な働きをなしているのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...それでも私には十分な感動があった...
田中英光 「箱根の山」
...そして私がまさにこのことを理解することで、そして私の明晰に知覺し、何等かの完全性をもたらすものとして知る一切のものが、なほ恐らくまた私の知らない他の無數のものが、形相的にか優越的にか神のうちに存すると判斷することで、私が神について有する觀念が私のうちにあるすべての觀念のうち最も眞で、また最も明晰で判明であるためには、十分なのである...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...常に十分なものではない...
中原中也 「詩壇への願ひ」
...ここではまだ弁護士が腕を振うに十分な機会があるし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...観念が延長の最も微小な部分の十分な再現であるとき...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...このことだけで両者を同じ教会と称するようにさせるのに十分なのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...それにて十分なるべし...
福沢諭吉 「学問の独立」
...其處には謎を解く十分な魔力を發見しなかつたと云ふことを...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...農業者は自分自身の子供達には十分な分量の食物を与え得るかもしれぬが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...これに十分な売口のないことを指摘しており...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...私には十分な根拠と思われるところを述べたが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...こういう云い表しかたは不十分なのだけれども...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その「いやぁよう!」につれなさをも・ためらいをも・好意をも・按排(あんばい)することができれば十分なのだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...十分な証明をすることが出来ない...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...語り部の零落まだこれだけでは十分な証明でないかもしれぬが...
柳田国男 「雪国の春」
...記述には十分な長さを与え...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「怪奇小説の執筆についての覚書」
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