...凄(すさま)じく何か唸るものがあつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...不足さうに唸るばかりだつた...
芥川龍之介 「山鴫」
...『あゝ――』と吉野は唸る樣に言つた...
石川啄木 「鳥影」
...信吾は又しても唸る樣に言つて...
石川啄木 「鳥影」
...渠(かれ)は唯唸る様な声を出しただけで...
石川啄木 「病院の窓」
...」やたらに唸るのである...
太宰治 「黄村先生言行録」
...困って困って唸るかも知れない...
太宰治 「花燭」
...」叔母は唸るように独り語(ごと)を言った...
徳田秋声 「足迹」
...トルドリューボフは唸るようにいった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...蚊帳へはひると有繋に暑苦しいので「うゝん」と唸るやうな聲を出してごろ/\して居ると娘は又臺所へ行つて何かこと/\音を立てゝ居る...
長塚節 「開業醫」
...潮鳴りの音を聞いたか!遠い波の叫喚を聞いたか!旗を振れツ!うんと空高く旗を振れツ元気な若者達がキンキラ光つた肌をさらしてカラヽ カラヽ カラヽ破れた赤い帆の帆縄を力いつぱい引きしぼると海水止めの関を喰ひ破つて朱船は風の唸る海へ出た!それツ! 旗を振れツ!○○歌を唄へツ!朽ちてはゐるが元気に風をいつぱい孕んだ朱船は白いしぶきを蹴つて海へ!海の只中へ矢のやうに走つて出た...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...指をなめる者パイプを咥(くわ)えるもの声を挙げる子供たち暗い空に風が唸る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...逆上(のぼせ)た声で浄瑠璃を唸るやつもある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...酒月」と唸るように呼びかける...
久生十蘭 「魔都」
...」誰かゞそんなことを唸ると...
牧野信一 「女に臆病な男」
...」臆病な娘と勇ましい軍人――鶴子のそんな芝居が酷く彼の悦びを買つて、彼は生真面目な顔つきで、唸ると、馬の頭上で花々しく鞭を鳴らした...
牧野信一 「陽に酔つた風景」
...お前さんが自分で唸るんだね...
牧野信一 「山彦の街」
...(唸る)鶴 どうかなすって――(近寄ってきて)もしもし...
三好十郎 「樹氷」
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