...幼い時の自分のとも区別のつかないはかなさ悲しさがこみ上げるようにわいていた...
有島武郎 「或る女」
...鉄が熔けるときに流れ出すあの灼(や)けきったような杏色(あんずいろ)とも白色(はくしょく)とも区別のつかない暈光(きこう)が...
海野十三 「空襲葬送曲」
...区別のつかない程似た声音をもって居り...
海野十三 「空襲葬送曲」
...一見普通の婦人客と区別のつかないような平凡な婦人なぞいつでも満員で...
大阪圭吉 「三の字旅行会」
...たった今のあのフラフラと立ち上った時の顔も頭も区別のつかないノッペラボウなお内儀さんの姿ばかりであった...
橘外男 「生不動」
...商売人とも素人(しろうと)とも区別のつかない素振りや服装を持って居たように覚えて居る...
谷崎潤一郎 「秘密」
...そして最後には両者の区別のつかない一線につき当る...
豊島与志雄 「好人物」
...リの字の区別のつかないもの...
中里介山 「大菩薩峠」
...陸とも海とも河とも区別のつかない...
中谷宇吉郎 「異魚」
...個人の住宅とほとんど区別のつかない...
夏目漱石 「明暗」
...あとは終日灰色の世界でこの時間と次ぎの時間の区別のつかない時の中にゐます...
原田皐月 「獄中の女より男に」
...ちょっと区別のつかないほど...
堀辰雄 「美しい村」
...自分ではまったく区別のつかない...
山本周五郎 「つばくろ」
...どれがなにとも区別のつかないがらくたがつくねてあり...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
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