...しぶしぶ皮匣(かわご)の上に肘(ひじ)をつきながら心にもない世間話をはじめました...
芥川龍之介 「運」
...またそっと皮匣(かわご)の所まで帰って参りました...
芥川龍之介 「運」
...座右の品匣(しなばこ)(釣の小道具入)を引き寄せぬ...
石井研堂 「元日の釣」
...品匣(しなばこ)に目をつけて...
石井研堂 「元日の釣」
...上女房――御匣殿(みくしげどの)・尚侍(ないしのかみ)・二位三位の典侍(すけ)・禁色をゆるされた大臣の女・孫――の眉と...
上村松園 「眉の記」
...出来たものが永久に匣底の奥深く秘められるのを覚悟の上でやらなければならないが...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「今年の抱負」
...劉晨阮璧入二天台一採レ薬、不レ得レ返経二十三日一飢遥望二山上有二桃樹一、(中略)二数枝一飢止体充欲二下レ山以レ杯取一レ水見二蕪青葉流下一、甚蘇妍、復有二一杯流下一、有二胡麻飯一、焉、乃相謂曰、此近レ人矣、遂渡レ江出二一大渓一、渓邊有二二女子一、色甚美、見二二人持一レ盃笑曰、劉阮二郎、捉二向杯一、求、劉阮驚、二女遂忻然如二旧識一、曰来何晩耶、因邀還レ家、西壁東壁、各有二絳羅帳一、帳角懸レ鈴、上有二金銀一交錯、各有二数侍婢一、使レ令、其饌有二胡麻飯一、山羊脯牛肉、其美、食畢行レ酒俄有二群女一、持二桃子一笑曰、賀二汝婿来一、酒酣作レ楽夜後各就二一帳一宿、婉態殊絶、至二十日一求レ還、苦留半年、気候草木、常是春時、百鳥啼鳴、更懐レ故郷、帰思甚苦、女遂相送示二帰路一郷邑零落、已十世矣、浦島の玉匣箱は、長生不老の呪力を籠めたるものにして、こは呪力信仰の説話に見えたる一例として、観察す可き者なり...
高木敏雄 「比較神話学」
...それはもうパンドラの匣以来...
太宰治 「パンドラの匣」
...従姉(あね)の家へその絵本の入った手匣(てばこ)を持ち込む時も...
徳田秋声 「足迹」
...浪子は手匣(てばこ)より母の写真取り出(い)でて床にかけ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...抽匣をぬきだしたりして...
中勘助 「銀の匙」
...そこに鼈甲の引手のついた小抽匣がふたつ並んでるうち...
中勘助 「銀の匙」
...もうひとつはわづかに子供の膝がはひるくらゐのもので浅い抽匣がついてたが...
中勘助 「銀の匙」
...伯母さんは私を床にいれたあとで行燈の抽匣から新規に燈心をひとすぢ出してつぎそへてくれる...
中勘助 「銀の匙」
...箪笥(たんす)の抽匣(ひきだし)にしまって置いた自分の着物と帯を質に入れた顛末(てんまつ)を話した...
夏目漱石 「道草」
...ガレージの屋根の衣裳匣(ばこ)にマダム・ギランの仮髪(かつら)とリンネルの下着が入っていた...
久生十蘭 「青髯二百八十三人の妻」
...司馬懿はまず匣(はこ)を開いてみた...
吉川英治 「三国志」
...ワリニャーニは十字架の木の聖匣を持って天蓋の下に立ち...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??